データマーケティングの効果と3つの注意して気を付けるべきこと

マーケティング

皆さん、こんにちは。

ビッグデータの重要性がもてはやされてからもう10年以上は経つと思います。

それなのにデータに基づいた商品や企画を作っても上手く社内やお客さんに響かない。むしろ自分でもピンと来ない。といった経験はないでしょうか?

僕自身、業種は違えど累計で10年程大手メーカーに勤め、データを用いた戦略を考えている身からデータの酸いも甘いも何となく分かっています。

今日はテーマのとおり商品企画やマーケティング活動にデータを使う期待効果と3つの気を付けるべき点について紹介させていただきます。

過去にデータの集め方について記事を書いたのですが、ここばかりにハマらないように警鐘を鳴らす意味でも書きたいと思います。

データで効果が期待できること

データの良いところは見える化できることです。

ユーザー(もしくは期待するターゲット)の性別・年齢・地域などの属性情報。

POSのデータも取ることができれば、属性に加えて購入時間や併売しているもの。

さらに調査会社のデータでは、他社品の推定売上やニーズなども掴むことができます。

これらの情報を見える化してどんな方向に事業を進めるのか?意図しているお客さんが獲得できているのか?

こういったことを調べたり、トラッキングすることに効果が期待できますので、手段として理解できているのであれば積極的に活用すべきだと思います。

データ活用で気を付けるべき3つのポイント

見える化できることは、データの素晴らしい点だと思います。

一方でデータは実績であり、手段です。ここをゴールに置くのは非常に危険です。

データをまとめることがゴールと置いたときに起こりがちな間違い・勘違いをあげさせていただきます。

言葉だけで並べるので辛辣な表現になることご容赦ください。

理解したつもり・やったつもりになること

データの可視化には魔力があります。

お客さんのことを理解したつもりになること。データをまとめて仕事をやったつもりになること。

ゴールがデータ収集になると起こりがちな勘違いです。

データは真実ですが、真理ではありません。例えば、「夕方のコンビニで若い女性がパウチ型のチョコレートを買っている」というデータが取れたとします。

競合商品と比べてこれがある程度差のハッキリしたデータだとしても、それは事実ですが事業の方向性を完全に振り切る、もしくはお客さんを理解したことにはなりません。

何故かというと「夕方のコンビニで若い女性がパウチ型のチョコレートを買っている」という事実の背景が何も分からないからです。

つまり、このデータは色んな側面を持っている可能性がまだまだあります。

  • その女性が夕方の一息にお菓子を買うが食べ過ぎないようにパウチ型を選んでいるのか?
  • 会社や家事の一区切りが夕方なのでそこで今日と明日の2日分としてのお菓子を選んだのか?

挙げ出したら色々可能性はありますが、データ収集がゴールになると上記のような可能性を見逃すことになります。

データを並べただけでは、事業や企画を組み立てるには少し心もとないことが少し伝わるでしょうか?

データをそのまま商品に反映しようと思うこと

性別や年齢などのデータが偽られることは稀ですし、数%そんな人がいたところで大きな問題ではありません。

一番気を付けたいのは質問形式、5段階評価などのあるアンケートデータです。

何故かと言うと、ここには人間の心理が濃く反映されるからです。

心理学用語でバイアス(偏り)と言います。これは人間が本質的な欲求として「自分はいい人間に見られたい」という根っこの部分があります。

有名な話では、マクドナルドのアンケートでお客さんが野菜たっぷりのハンバーガーが求められているというアンケート結果がその昔あったそうです。

それならばと、マクドナルドはめちゃくちゃ野菜を使ってヘルシーなハンバーガーを出したのに全然売れなかったのです。

何でこんなことが起こったかと言うと、お客さんの欲求と質問を答える理性は全くの別物であり、言葉は悪いですが「嘘」があるということです。

ここの教訓としては、データを鵜呑みにした企画作りは非常に危険だということです。データという数字ばかりに捉われるのはリスクが大きいので、やはりヒト起点の対話や情報収集も並行にて行うことが防止策としてはオススメです。

相関関係と因果関係を混同してしまうこと

データを扱えるようになるとアナリストになったかのような高揚感があります。全ての動きが手中にあるような感覚です。

ちなみに僕自身の経験から、実際はそんなものではないこと先に断っておきます。

アナリスト気分になると相関関係を見つけることに快感を覚えます。

ただし、この相関関係に企画や方針を左右する因果関係があるかは別物です。

よく耳にして有名なのは、おでんやアイスの売上と気温の相関関係でしょうか。確かに相関関係があります。ただ、ここには因果関係もエビデンスとしてあるので実証されています。

例えば、①学生が他の年代と比べて夜中に外出が多い、②夜中にエナジードリンクが他の時間帯に比べてよく売れている。こんな2つのデータがあったとします。

相関関係はあって気持ちいいので「夜中に学生が飲むエナジードリンク」なんという企画を作りたくなりますが、それは落とし穴です。(例えなので無茶なのはご容赦ください)

①は、若者が夜中に外出が多いのは、習い事や塾が多いのが理由かもしれません。

②は、実はタクシードライバーさんが夜勤をこなすために買っているのがメインかもしれません。

相関関係があると無理やりそれを繋げたくなるのが人の心理です。

目星の付いている商品やターゲット像があるのであれば、繰り返しになりますが、そのヒト起点で情報を得るというのも大事な側面の一つです。

まとめ

今やそれなりのデータは無料で誰でも手に入れられるようになりました。

ただそのデータ(数字)の裏にはひとりの人間がいるということを忘れないであげてください。

大局を掴むのは大事なことですが、方針や企画を決めるには単一な側面ばかり眺めたり、共通することを安直に繋げようとしているだけかもしれません。

個人的にもセールス活動に必要だったり、企画を押し進めるうえで偏った見方を迫られ情報を出すこともあったので、すぐに上手くいく内容でないことも承知しています。

ただ、もし事業や商品の企画を考える立場にあるのであれば、データの裏を理解しようとする思考をなくしてはいけないと思うのです。

何かこの情報が役に立ったり、考えるきっかけになったら嬉しいです。

今日はこのへんで。どうもありがとうございました!

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