【ハニカムモデル】ダイソンクリーナーはどうブランド形成されているか?

ハニカム

皆さん、こんにちは。

電通ハニカムモデルの実践編として、【ダイソン】を題材にします。

この『ハニカムモデル』よくできたフレームワークだと思う一方、イマイチ使い方だったり、自分のケースに当てはめるときの考え方が難しかったりします。

なので、ここで身の回りにある商品やサービスをあくまで個人的な見解ですが、考察してみるので、『慣れ』の場として見て参考にしていただけたら嬉しいです。決してコレが正解というわけではなく、あくまでいち個人の見解ということはご了承ください。

【ダイソンクリーナー】のハニカムモデル

JAPAN言いながら、海外のブランドを題材に選んでしまったのですが、僕も電機メーカーにいるときに非常に身近だったブランドですので選びました。【ダイソン】には、色んな商品が出ているのですが、分かりやすさを重視して、掃除機(クリーナー)をテーマにしたいと思います。はい、構造としては以下の図のように考えてみました。

①シンボル(symbol)

ここには、その商品・サービスが何を見て、聞いて、感じて想起できるか?ということを落とし込んでいきます。【ダイソンクリーナー】(以下、ダイソン)は、掃除機の中でも、あのメカニックな見た目は非常にシンボリックだと思います。具体的に言うと、メタリックな青と光沢のあるグレーのボディと目に見えるサイクロン機構ですね。パッと遠目からでも「あ、あれはダイソンの掃除機や!」むしろ、こんな見た目しとてダイソンじゃなかったら「ダイソンのパクリやん」と思わせるくらいまで定着していると思います。なので、シンボルは『メタリックな青と光沢のあるグレーのボディと目に見えるサイクロン機構』となります。

これは商品の顔と言える部分なので、ここでその商品(ブランド)にない、もしくは突拍子もないことをすると失敗してしまうことになるので、商品の派生には、やはり注意が必要ですね。

②そのブランドの信頼の源泉(base of authority)

もうこのへんから難しくなっちゃうのがハニカムモデルの難点ですね。実際、僕はかなり突貫で考えましいたが、ここは割と悩みました。要は、その商品が必ず約束してくれると信じていること。ここは次に説明する機能価値と混同しがちなのですが、このへんは今後アップする記事を増やすので『慣れ』でお願いします!

ちなみに【ダイソン】が必ず約束してくれること(base of authority)は、独自のサイクロン機構で吸引力が変わらず、掃除をすることができる掃除機ここが【ダイソン】といえば!『吸引力がずっと変わらない』というイメージはかなりCMでもメッセージされてましたし、そこそこあるのではないでしょうか?

①と②を合わせて『This is~』とまとめることができるようになります。なので、今回は【ダイソン】とは、メタリックな青と光沢のあるグレーのボディと目に見える独自のサイクロン機構が特徴の吸引力が変わらず、掃除をすることができる掃除機。こんな風に商品の自己紹介ができるようになります。

③機能価値(functional benefit)

ここは簡単に言うと、その商品の特徴です。【ダイソン】の掃除機だけに絞って言えば、場合はだんだん新商品の影響で整合性が取れなくなってきています。一旦は以下の3点にまとめています。

  1. 独自のサイクロン機構で吸引力が変わらない。
  2. 余計な掃除機の掃除をせず、ゴミを捨てられる。
  3. トリガー式のスイッチに好きなタイミングで掃除できる

このへんが経験上、そしてホームページからも分かる特徴になります。このような特徴はただそうであるだけではなく、次の情緒価値と紐づいていくことでユーザーにとってかけがえのないことが何なのかが明らかになってきます。

④情緒価値(emotional benefit)

③の機能価値で明らかになった商品の特徴がユーザーをどのような気持ちにさせているか?どのような気持ちに繋がっているか?を紐解いていくパートになります。あくまでパッと思いついた参考例になりますが、以下のように考えます。

  1. ずっと最高の掃除ができる気持ち良さ
  2. 余計な金銭コストや家事コストがかかるストレスからの解放
  3. 機能や音への自己効力感

大体、機能価値と対になることが多いです。即興なのでやや無理やりなところもないこともないですが、考え方としてはこんな感じです。対になって繋がっているところは、

①独自のサイクロン技術で吸引力が変わらないので、ずっと最高の掃除ができる気持ち良さに繋がる。

②紙パック式や他のサイクロン掃除機と比較してですが、まず紙パックの取り替えコストがかからないだけでなく、ゴミカップ以外の掃除が必要なく、家事にかける時間のコストも削減できてストレスがかかりにくい。

③これは特にスティック型になりますが、トリガー式のスイッチを導入することで、自分で掃除や音をコントロールしているという自己効力感に繋がっていそうです。

ここまで来ると何となく【ダイソン】がダイソンである理由や、どんな風にして替えの効かない存在になってきているかというのが分かってきたのではないでしょうか?【ダイソン】がその他の家電メーカーの商品と比べてどんな風に違うのか少し輪郭が見えてくると思います。

⑤顧客イメージ(ideal customer image)

ご存じな方はペルソナと言った方がイメージが沸きやすいかもしれません。要は、どんなお客さんが使っているかの代表格(イメージ)を具現化するところです。今回はあくまで僕から見たイメージだけで書いています。ここは今後の商品(ブランド)運営に大きく関わる部分ですので、ご自身に当てはめるときは、よくよく消費者を観察することをおススメします。

【ダイソン】は、掃除機のアイテムの中では、とてもムダを嫌い『効率的』で『恒常的』に働き続けるというモノづくりをしていると思います。これは、ダイソンの創業の思想から「きちんとしない製品に不満を感じる」ここがベースになっていそうです。

このことからどんなユーザー像が見えてくるか?あえて、多少高価な買い物になりますが、不満のない掃除ができることや、家事のコストも最低限に抑えることができる。

トリガー式のスイッチで自分のペースで掃除をしたい。それでいてきっちりゴミは吸って部屋は整えたい。生活に忙しさや、ワンチャンスでタスクを終わらせたいなどのこだわりを持った人物が見えてきます。

「自分の時間を効率よく使い、気持ちよい生活環境を作りたい人」という人物をイメージしてみました。

⑥この商品が人だったら。。(personality)

とてもメルヘンな感じがするのですが、結構実際のマーケティングでは大事です。どのようにお客さんに接していたいのか?どのように思われたいのか?こういった部分が商品を人格化したときに表層化していきます。

僕のあくまでイメージですが、【ダイソン】は、商品の自己紹介や機能価値、情緒価値も鑑みて、キーワードとして、「メカニック」「持続する」「キチンと仕事をこなす」という印象から、『いつでも、時間が経っても変わらない品質の仕事をしてくれるお掃除サイボーグ』という人格をイメージしてみました。今回は人格というよりロボっぽい感じになってしまったのですが、吸引力がいつまでも落ちずに掃除し続けるとか、人間の仕事だったら不可能ですからね!ここはあまり外してないのではないかと思います。

⑦コアバリュー(core value)

今までのステップを通して、【ダイソン】がユーザーにもたらす真の価値を一言で言うと何なのか?というパートです。とても難しいです。割と物性よりになる場合もありますし、シンプルに一言で言える場合もあります。今回は【ダイソン】の真髄は、創業者の言葉にもありますが、きちんと機能しない製品に不満を持ってるということも鑑みると『不満のない掃除を提供し続ける』というところにあるんじゃないかなと思い、一旦こんな風にセットしてみました。一旦というのは、非常にここは考え方が難しいので、すぐに思いつく限りではという感じです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?少しでもイメージが沸いたら嬉しいですし、ご自身のお仕事やテーマに合わせて考えるきっかけになったら是幸いです。

こんな風にまとめてみると、自分と競合だったダイソンが何で強かったのか?何故、お客さんから信頼されていたのか?「この掃除機、音うるさいんですよー」とか、言うてもそこが響かないのか。整理してみると何となく見えてきますね。

買いたい!というお客さんやダイソンからメッセージを受け続けた人はそんなことどうでもいいんですよね。ダイソンが約束してくれるブランドに信頼を置いているわけですから。

飛躍して「ダイソンは吸引力が強い!」なんていうイメージというか資産まで連れてきてしまうくらい、ダイソンのブランディングは見事だったと思います。

もう少し広く本当の【ダイソン社】としてのブランド資産も考察しても面白いかもしれないですね。ダイソンといえども万能ではないので、やっぱ自社で抱えているブランド資産から遠い、もしくは気付かず外してしまっている商品はあまり市場で強さを持てていないような気がします。

もし僕が展開を広げるとしたら、同じ独自のサイクロン技術(風)を使ったアイテムを中心に開拓していきたいですけどね。扇風機、ドライヤーはいい選択だったと思います。本当はお金があったり、キチンと満足いく品質を担保できるのであればエアコンとかも手を出していきたいところですけどね。

このハニカムモデルの考え方は逆算をしたり、応用も効くので、何か参考になれば嬉しいです。

今日はここまで、どうもありがとうございました!

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