皆さん、こんにちは。
阪急のチョコレート博覧会に行ってきました。
今回は、チョコレートに興味のある方や、似た競合が多くて困っている方に読んで何か考えるきっかけになればと思っています。
さて、行って見てきた僕なりの感想と結論についてです。
感想は、もう5年くらい阪急のチョコレート博覧会は見てきましたが、予想どおりワーストで人が少ないです。ガラガラとまで言いませんが、満員電車状態だったのが、ちょっと座れるくらいまで人が減っていて感覚としては10分の1くらいでした。
色々見て回って思った結論としては、チョコレート業界は潮目にきている。現代に合わせたニーズを把握&することと戦略を取る必要がある。ということです。
以下、そう考えた理由について解説したいと思います。
チョコレート業界の年間売上推移
(引用:公益財団法人ニッポンドットコム)
他のチョコレートの月別売上推移を参考にしても同じような結果なので、見やすいこちらの表にて紹介させていただきます。
御覧の通り、ほとんどが2月のバレンタインを中心にした需要であることが分かります。
専門店はこのバレンタイン需要で収益を得て、夏をやり過ごすという企業も多いと思われます。実際、夏にチョコレートを売るためにジェラートを展開するといったお店もあるくらいです。
コロナ禍になって初のバレンタインシーズン
この記事を書いているのが2021年1月末ですが、実は今回がコロナ禍で緊急事態宣言など自粛体制に入ってから始めてのバレンタインシーズンになります。
百貨店のご担当者においては、この大変な時期にこんなイベントを開いてもらって感謝です。
ただ実際に見た感触ですが、洋菓子店の出店はほぼありませんでした。つまり、洋菓子をやっているからと言ってこのイベントのバレンタイン需要に手を出してくるお店はほとんどありませんでした。
それくらい、需要の落ち込みがあったバレンタイン市場だったと考えます。今年来たお客さんは純粋にチョコが好きな人が大半なんじゃないかと思います。
コロナ禍で失われたこと、生き残ったものの整理
私見ですが、まず無くなったことをピックアップします。
- ちょっと気を使った義理チョコ
- いいチョコ買って、仲間内でシェアすること
- イベント感、パティシエが来場したりなど
やはり、我々の生活様式の変化で人が集まることが制限されました。必然的に何となくあげていた職場や学校の義理チョコ、友チョコ。こういったイベントでパティシエ(ある種のアーティスト)が来場して、顔を合わせて買うようなライブ感が失われました。
そして、生き残ったであろうことをピックアップしてみます。
- 自分へのご褒美消費
- チョコ博覧会のようなイベントがチョコの見本市であること
よりフォーカスされるようになったのは自分へのご褒美需要かもしれません。ここは失われていませんし、今足を運んでいるお客さんのほとんどだと思います。
そして、こういったイベントがチョコレート自体の見本市であること。このような機会を通して、チョコレートの新しいトピックスはちょっとしたブームを呼んできました。
21年のチョコ博で出た企業の取り組みの格差
Bean To Bar、ルビーチョコレートはもう既にチョコレート業界ではコモディティ化していると考えます。それに加えてどんな体験を提供するかのビジョンに差が見られた年だったというのが率直な感想でもあります。
見た中でスイーツとしてだけではなく、カカオと向き合ってビジョンを持って体験を提供してくれていた2社を紹介させてください。
〇明治
言わずと知れた「チョコレートは明治」ですね。明治のカカオ豆の焙炒度、発酵度の違いによるチョコレートの楽しませ方を提案してくれました。
まさにカカオがワインやコーヒーのように農作物であり、加工の違いで色んな味わいや楽しみ方があることを体験させてくれたパイオニアになっています。
〇Dari K(ダリケー)
Dari Kは「カカオを通じて世界変える」と理念で掲げています。
今回のようなバレンタイン向けのイベントであっても、<カカオ豆から手作りチョコレートキット>も訴求していて、巣籠が多くなった昨今においても理念に基づき、教育的な観点からチョコレートを広げるチャレンジが見られました。
20年度は、カカオプレッソというコーヒーのような楽しみ方も提案していましたし、これからもアイディアが出てきそうなお店だと思います。
まとめと来年への期待
お一人様消費の見直し
これからこの状態が続くことも想定するとお一人様の持ち帰り需要にフォーカスされた方がいいと感じました。
チョコレートテリーヌやチョコレートチーズケーキなど濃厚なチョコレートを堪能できる新しさがあり目玉になり得る商品はあった。しかし、容量がお一人様需要には応えられるサイズと価格ではなかったと思います。
どれも棒状の羊羹くらいのサイズで2,000円~3,000円くらい。量も多いし、価格もそれだけに集中せざるおえないような価格帯だと感じました。
百貨店であることを活かしたセレクトショップ化
これもお一人様需要にも関連しますが、戦略として今までのバレンタインのような1回の買い物で複数人のチョコレートを買うといった需要はほぼなくなったものと考えた方がいいと思います。
むしろこれからは本当のチョコレート好きにターゲットをもう少し強めに当てて、リピートを狙うような戦略もチャレンジした方が良いのではないでしょうか?
例えば、各企業に同じサイズと規格のトリュフチョコレートを作成させ、それをチョイスして詰め合わせパックで販売。気に入ったチョコレート店には再度来店して買ってもらうという道を作ってあげることなどです。
アパレルで言えば、【ビームス】。最近では、パン屋さんでもセレクトショップのような形態を取ったお店が存在します。
こんな取り組みを期待しつつ、来年もチョコレートとカカオの良さを広げるような展開を祈っています。
以上、何かしらの参考になったら嬉しいです。今日はこのへんで。
どうもありがとうございました!
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