皆さん、こんにちは。
・パーパスブランディングなんて大手のやることでしょ
・ブランドと呼べるものがないのでどうしたらいいか分からない
パーパスブランディングという概念を知って、企業・ブランドとして生き残るため顧客にとって存在意義のあるものであり続けたい。そう思う方も多いのではないでしょうか?
僕は、大手の電機メーカーと食品メーカー合わせて8年ほどのキャリアがあります。現職でブランドのパーパス設定をしている真っ最中です。
そこでこの記事では、パーパスブランディングがどの企業にも関係のある話であること。そして設定にあたって実体験で失敗があったからこそ紹介できるハマってほしくない落とし穴と考え方について紹介します。
この記事を読めば少なからず我々よりかは近道でパーパス設定に臨めるようになります。
そもそもブランドパーパスとは?
簡単に言ってしまうと『ブランドが社会で存在するための意義』です。
こう言うと高尚な話に聞こえますが、実際その考えは近からずも遠からずです。
そもそもこのブランドパーパスについて書かれた本「本当のブランド理念について語ろう 「志の高さ」を成長に変えたトップ企業50」の表紙でも「志の高さ」と表現してしまっているので高尚な部類であることは間違いないでしょう。
しかし、高尚だからといってあまり避けて通らない方がいいというのも事実だと思います。
もっと「ブランドパーパス」自体を詳しく説明してくれているサイトがあるので、興味のある方はそちらもご確認ください。
手前味噌ですが、僕も以前SONYのブランドパーパスについて触れています。
有名企業のブランドパーパス
よく利用したり、誰もが知っているブランドのパーパスを知るともっと身近に感じるかもしれません。
GOOGLE 「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにする」
レッドブル 「世界に活力を与える」
コカ・コーラ 「コカ・コーラ独自のおいしさを通じて、楽しい時間や空間を共有し、世代や人種を超えてさまざまな人を繋ぐこと」
SONY 「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」
ブランドパーパスづくりを経験して思ったこと
さて、少しブランドパーパスを身近に感じてもらえたところで、この考え方は多かれ少なかれどの企業も持っておいた方がいいと考えています。
理由は、これからの企業活動の指針として仲間とお客さんのベクトルを合わせるという意味で大事だからです。
企業理念だけだとどうも企業からの一方通行ですが、パーパスは「存在意義」なので、利用するお客さんもいて始めて成立するような共存共栄のかたちを取れます。
ただここへの到達は決して楽な道のりではありません。
まず基本的には、企業・ブランドのお客さんへのベネフィット(特に機能的価値)を洗い出してください。これがパーパス設定には必須です。
僕たちの会社がブランドのパーパス設定を考え始めてから、個人的に分かってきたハマって欲しくない落とし穴とポイントについて3点挙げます。
②ブランドの規模によってパーパスという存在意義のレベルは違っていい
③ブランドパーパスは第3者が決めてはいけない
パーパスなき企業の下では商品のパーパスは作れない
これは主力のブランドが複数ある企業がハマりがちです。実際に僕たちはここにハマっていてきっと上手くいかないだろうと考えています。
ブランドとは企業そのもの、もしくは企業の所有物です。この順番をちゃんと理解して考えなければ、いつまで経っても手戻りが多くなります。
つまり、企業のパーパスがないまま、商品のパーパスは作れません。
これは実体験として、会社のパーパスを定めないまま進めると商品はどこまでを言語化していいか分からず、露頭に迷うことを経験しています。
ブランドの規模によってパーパスという存在意義のレベルは違っていい
大手の企業のブランドパーパスが目立つので、壮大なことを成し遂げるようなパーパスを設定したくなりますが、これは必須ではありません。
企業によってその存在意義は様々です。
中小企業、中堅ブランドには自分たちにしか成し遂げられない顧客との存在意義があることを忘れないでほしいです。
ここを見誤ると、言葉選びが複雑になりパーパスとして現実味を帯びてきません。
例えば、大阪の地場の企業がいきなり「世界」とか言い出すと少し距離感がありますよね?
僕はブランドパーパスづくりに携わって思ったことは多少の背伸びはあっても、身の丈に合わない大きな言葉は逆に存在意義を薄めると感じました。
存在意義なんて、人の世がこんなにも激動な時代ですから。ブランドとして変えないことさえ決めてしまえば、メッセージ自体は時代に合わせて少しずつかたちを変えるのが健全だと思いました。
ブランドパーパスは第3者が決めてはいけない
大きな企業になればなるほどかもしれませんが、端的に言うと何も知らない部外者がブランドパーパスの決定に関与することは得策ではありません。
これも実体験ですが、今の会社では商品ブランドにパーパスを設定しようと考えていますが、これに商品のことを良く知らない人間が絡んで主導権を握られるとロクなことがありません。
理由は明白です。その商品のことを一番よく知っているのは担当だからです。ここに経営的視点を入れるということで経営者が参画するというのは大いにアリだと思いますけどね。
まとめ
昨今よく議論されるブランドパーパスと、その設定の実体験からハマって欲しくない落とし穴とポイントについて3点を挙げました。
②ブランドの規模によってパーパスという存在意義のレベルは違っていい
③ブランドパーパスは第3者が決めてはいけない
まだまだブランドパーパスの設定に向けたメソッドは確立されていないので、少しでも余計な事をせずに設定に向けて動いてもらえたらと思います。
今日はこのへんで。どうもありがとうございました!
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