食パンの「乃が美」がそのまま食べる発祥の精神を保つべき理由

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皆さん、こんにちは。

今回はシンプルに食パンの好きな方、もしくは不況の中でサービスの打ち手が見出しにくい方に読んでいただければ幸いです。

さて、今回のテーマは高級食パンの【乃が美】です。

高級食パンの草分け的な存在ですが、最近のTVを見る中で出てきた【乃が美】でフレンチトーストを作る&専用スプレッドという宣伝、企画に違和感を覚えました。

結論としては、高級「生」食パンを謳う【乃が美】としては、加工した食べ方を自ら提案するなど全く本質的ではないということです。

その理由についてお話したいと思います。

高級「生」食パン【乃が美】とは

阪上雄司さんという方が2013年から始めた、当時はとても珍しかった高級食パンに特化したお店です。

【乃が美】を作った背景は、当時TV番組でも取り上げられ覚えていますが、ホームページでも以下のように語られています。

老人ホームへの慰問中に聞いた「食べているときと笑っているときが一番幸せ。
でも朝食に出るパンは耳が固くて食べられない」というおじいちゃん、おばあちゃんの言葉。

そして2つめは、卵アレルギーで食べるものに制約がある我が子が食べていたパサパサのパン。
そこから行き着いたのが「ふわふわの柔らかい食パン」だったのです。

(引用:https://nogaminopan.com/

要は、子供からお年寄りまで多くの人が美味しく楽しめる日常的な食べ物(食パン)を作りたいということでスタートしています。

ここはとても素敵な着眼だと思います!そして「生」で食べることにとてもこだわりを感じました。

フレンチトーストやスプレッド打ち手の背景

個人的な見解ですが、元々の需要としては以下の2点だったと考えます。

  • ちょっと贅沢な日常食
  • お持たせ、お土産のような存在

日常の食卓に出る主食の食パンですから、嗜好品のように自分利用から他人利用へ範囲を広めたことは革新的だったと思います。

ただ、2021年1月現在の状況を踏まえ以下の状況は【乃が美】も例外なく逆風だと考えます。

  • コロナ禍で外出減⇒人の往来が減り、お土産需要も減少
  • 経済状況ダウン(収入減少)⇒プチ贅沢から少し遠のく

このような状況下でいかに【乃が美】の食パンを買ってもらい楽しんでもらうか?ここに頭を悩ませた結果だと思います。

恐らく【乃が美】が考えたこと

売上は、消費財では配荷(置かれる売り場の数)、トライアル(どれだけの人が買うか?)、リピート(同じお客さんが何回買ってくれるか?)に分解したりします。

【乃が美】の場合は、独自で店舗を持つことが多いため配荷は一旦無視します。

僕の予想ですが、人出やお土産需要も減ったので、新規でトライアルが見込みにくい(新しいお客さんの数は増えない)。

そうであれば、同じお客さんに何度が買ってもらうリピートの確率を引き上げよう!と、考えたのがフレンチトーストやスプレッドの企画だと思います。

【乃が美】のフレンチトースト&スプレッド企画の違和感の正体

僕は「生」食パンであり、そのまま食べることにこだわっていた【乃が美】が食べ方の提案をすること自体に強烈な違和感と戦略の危なさを感じました。

フレンチトーストの起源をご存じでしょうか?

あれは、固くなったパン(フランスパン)などを柔らかくおいしく食べるために生み出された食べ方です。(参照:https://www.marinfood.co.jp/bazaar/foodcolumn/2019/85.html

スプレッドも皆さんはどんな時に使うでしょうか?

そのまま食べるとパサパサして食べづらいパンに使いませんか?おいしいパン程、余計なことをせず、そのままや焼いて食べるのが一番おいしいですよね。

「生」のまま食べるという創業時の想いや商標を取るなどのこだわりがあるからこそ、このような施策は自己否定や自ら競争の激しい戦場に出ているような気がします。

まとめ

本業の【乃が美】さんが考えた結果なので、僕としてもパッと妙案が思いつくものではありませんが、高級「生」食パンであることは必ずこだわってほしいです。

後は本来のお客さんがどんな生活をしていたかを改めて掘り下げることで新しいビジネスチャンスの芽を探すと思います。どんな状況下でも減ったことがあれば、増えたこともあるはずですしね。

競合も増える一方ですが、すごくいい商品で発祥の理念も持っているので、やはり本質はブラさないまま頑張ってほしいですね。

以上、今回はあまり出口が見えにくい話になってしましましたが、何か情報として参考になったら幸いです。

今日はこのへんで。どうもありがとうございました!

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