皆さん、こんにちは。
こんな記事を見つけました。
新シリーズ「綾鷹カフェ」も 日本コカがお茶で発売ラッシュのワケ(日経クロストレンド)
僕は、大手の電機メーカーと食品メーカー合わせて8年ほどのキャリアがあります。今はカフェ関係の商品を担当していることもあり、今回の件は興味深かったです。
この記事では、リリースやネットニュースでは取り上げられていないコカ・コーラが「綾鷹カフェ」を進めた理由について考察します。
この記事を読んでいただければ、「あ、そんなことも背景にあるのね」と思っていただけると思うので、是非最後まで読んでみてください。
ちなみにこの背景は大きく3つあります。
①そもそも「綾鷹」で抹茶ラテをする話はあった
2019年のことでしたが、某コンビニで抹茶ラテを展開するにあたってコラボの話を持ち掛けていました。
今思えば、彼らはこのときに「綾鷹」ブランドで抹茶ラテを展開するという可能性を感じたのかもしれません。
現状が結果を語っているとおり、様々な制約条件がありこの話はなくなりました。
ただコカ・コーラは淡々と市場開拓へこのときから準備を進めていたのだと思います。
②ペットボトルお茶市場の減少
これは社会人の皆さんであれば少なからず肌感覚としてあるのではないでしょうか?
コロナ禍でペットボトルのお茶が売りにくくなりました。
ペットボトル市場No.1の伊藤園の決算報告を見ていてもやはりコロナ禍の影響で自販機販売を含むペットボトルのお茶の販売が低下していて久しぶりにマイナス成長でした。
代わりにスーパーなどで買うお家用のお茶パックは伸びたようです。この外出機会現象というのはこういったところに影響が出てきます。
ちなみに僕の記憶ではコカ・コーラは自販機事業が盛んだったと思います。よりダメージは大きかったものと予測されます。
③リアルのカフェ利用の減少
コカ・コーラでは減ったものを逆にチャンスに捉えています。
コロナ禍の影響で外出が制限され飲食店に深刻な影響があることは皆さん周知の事実だと思います。
カフェもその産業の一つになりますが、家庭内の「お茶パック」が伸びたように家の中でカフェメニューを楽しむというニーズは高まったのだと思います。
実際にサントリーからでている「カフェベース」やスティックタイプのカフェ飲料は好調だと聞きます。
ここの家ナカ需要に目を付けて「近所でも気軽に本格的な抹茶ラテを愉しむ」というコンセプトができあがったのだと思われます。
コカ・コーラのマーケティングが上手だったこと
基本的には、世の中の流れに合わせて先に紹介した3点を把握して打ち手を繰り出したことは上手でした。
・ペットボトルお茶市場の減少
・リアルのカフェ利用の減少(家ナカ需要増)
さらに今回の商品で工夫している点が商品と施策面で1つずつあります。
1つ目、商品面としては抹茶ではなく「緑茶」がベースであること。
あまりピンと来ないかもしれませんが、「緑茶」と「抹茶」は同じ茶畑の原料から採れますが、「抹茶」の方は厳密に言うと石臼で挽いたもので、高級かつ光や熱に弱いという繊細なものです。
今回の綾鷹カフェでは抹茶も使用しているようですが、原料表記には「緑茶(抹茶)」です。
透明のペットボトルでは抹茶本来の味は確実に劣化していくのが普通なのですが、今回はあえてそこを覆す商品づくりをされたというのがポイントです。
実際にウチの奥さんにも飲んでもらいましたが、「これは抹茶ラテ」だと。
この反応が大衆的かつ正義なのだと思いました。厳密な抹茶ラテでなくても消費者が抹茶ラテだと思えば、抹茶ラテなのですよね。
2つ目、施策面では小さくだがリアルの店舗でも展開して話題をつくったこと。
この「綾鷹カフェ」は猿田彦珈琲ともコラボして生まれた商品です。
猿田彦珈琲はリアルな店舗も持っています。今の状況では全国で大腕を振ってポップアップショップなどを作ることはできませんが、1店舗だけ猿田彦珈琲で営業しているお店で「綾鷹カフェ」をカフェメニューを提供するようです。
実際の体験は全ての人には難しいですが、十分ニュースを作れていましたし、本格的なカフェでも提供するくらい本物の商品なんだとイメージ醸成をするには十分な一手でした。
まとめ
コカ・コーラの「綾鷹カフェ」という抹茶ラテがペットボトルで出た背景をニュースでは流れない側面からご紹介しました。
上手く世の中の波にスムーズに乗った施策だっと思います。
以上、何か情報が役に立ったり、考えるきっかけになったら嬉しいです。
今日はこのへんで。どうもありがとうございました。
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