【ハニカムモデル】ヘルシオのブランド考察【実践編】

ハニカム

皆さん、こんにちは。

このブログでは基本的には、自分の気になった商品、サービスの考え方を自分なりの新しい目線で解説し、サービスの向かう方向性や向かって欲しい方向性を発信していきます。

読者の皆さまには、自分の携わる仕事、サービスや商品の捉え方を変える気付きになれたら嬉しいです。というには、電機メーカー、食品メーカーの商品企画・マーケティングの仕事を通して、日本のブランディングやマーケティングって海外と比べて弱いなと思ってます。そんなブランディング・マーケティング弱者の日本メーカーに居ながらの発信ですが、少しでもJAPANのモノづくりやサービスが良くなるように微力ながら発信していきたいと思います。いいなーっと思ったら、親しい人にもシェアしていただけるとこれ幸いです。

さて、今回は前回ご紹介した電通ハニカムモデルの実践編です。この『ハニカムモデル』よくできたフレームワークだなーっと思う一方、イマイチ使い方だったり、自分のケースに当てはめるときの考え方が難しかったりします。

なので、ここで身の回りにある商品やサービスをあくまで個人的な見解ですが、考察してみるので、『慣れ』の場として見て参考にしていただけたら嬉しいです。

【ヘルシオ】のハニカムモデル

ブランドとしては10年くらいと若いですが、家電好きやキッチンに立たれる方はご存じな方が多いのではないでしょうか?【ヘルシオ】を今回のテーマとして解説していきたいと思います!はい、構造としては以下の図のように考えてみました。

①シンボル(symbol)

ここには、その商品・サービスが何を見て、聞いて、感じて想起できるか?ということを落とし込んでいきます。【ヘルシオ】は現在はロゴマーク以外にトレードマークとなるものはあまりないような気がします。、パッと「あ、これは他のオーブンレンジではなくヘルシオ商品だ」と気付くことができるのはマーク以外持ち合わせていないということです。商品のレッドのカラーリングもシンボリックなのですが、どうしてもカラー展開もあり個性としては絞りきれないと思いますので色は今回除外と考えます。シンボルは『HealSio』のマークのみとなります。

これは商品の顔と言える部分なので、ここでその商品(ブランド)にない、もしくは突拍子もないことをすると失敗してしまうことになるので、商品の派生には、やはり注意が必要ですね。

②そのブランドの信頼の源泉(base of authority)

もうこのへんから難しくなっちゃうのがハニカムモデルの難点でしたね。要は、その商品が必ず約束してくれると信じていること。ここは次に説明する機能価値と混同しがちなのですが、このへんは今後アップする記事を増やすので『慣れ』でお願いします!

ちなみに【ヘルシオ】が必ず約束してくれること(base of authority)は、簡単に健康な調理(料理)ができる調理家電ここが【ヘルシオ】といえば!『健康』というイメージはそこそこあるのではないでしょうか?もったいないのは、他の調理家電やオーブンレンジと何が違うの?という点が整理しきれていないことですね。これは機能の差ではなく、提供価値として【ヘルシオ】が優位なものはなんなのか?またそれがどんなお客さんの役に立っているのか?という点が整理もしくは、ちゃんと世間にメッセージが出し切れていないことがとてももったいない気がしますね。

①と②を合わせて『This is~』とまとめることができるようになります。なので、今回は【ヘルシオ】とは、【HealSio】マークのある簡単に健康な調理(料理)ができる調理家電。こんな風に商品の自己紹介ができるようになります。

③機能価値(functional benefit)

ここは簡単に言うと、その商品の特徴です。【ヘルシオ】の場合はだんだん新商品の影響で整合性が取れなくなってきています。一旦は以下の2点にまとめています。

  1. 加熱水蒸気の調理で減油、減塩だが栄養素はキープ
  2. ワンボタンでほったらかし調理

このへんが経験上、そしてホームページからも分かる特徴になります。このような特徴はただそうであるだけではなく、次の情緒価値と紐づいていくことでユーザーにとってかけがえのないことが何なのかが明らかになってきます。ただ【ヘルシオ】の場合はヒットした【ホットクック】が【ヘルシオ】ブランドの傘下にあるため、お互いが難しい立ち位置を取らざる負えない感じになっています。その理由は、「加熱水蒸気」による調理。原点はここにあったはずですが、【ホットクック】にはこの機能はありません。良く言えば、ブランドの拡張になりますが、ベースとなる機能が伴うことや、他社と同領域、同レベルの商品にすることはコモディティー化を加速させるため、不要な競争に巻き込まれる可能性があります。今回はそれに当たりそうで少し心配ですが、これは様子を見る他ないですね。次にいきます。

④情緒価値(emotional benefit)

③の機能価値で明らかになった商品の特徴がユーザーをどのような気持ちにさせているか?どのような気持ちに繋がっているか?を紐解いていくパートになります。あくまでパッと思いついた参考例になりますが、以下のように考えます。

  1. 日頃の食事から健康な食事をしているという自信を持つことができる
  2. 時間を有効活用することができ、心のゆとりができる

大体、機能価値と対になることが多いです。今回のケースは商品展開も広くなっているので少しボヤッとした感じになってしまいましたが、概ねこんな感じだと思います。ここは今回瞬発的に考えているので実力不足で申し訳ないです。

ここまで来ると何となく【ヘルシオ】がヘルシオである理由や、どんな風にして替えの効かない存在になってきているかというのが分かってきたのではないでしょうか?また、いやこれは【ヘルシオ】って呼んでいいの?とか、噛み合わない部分もお気付きになる方がいらっしゃるのではないでしょうか?【ヘルシオ】がその他の家電メーカーと比べてどんな風に違うのか少し輪郭が見えてくると思います。

⑤顧客イメージ(ideal customer image)

ご存じな方はペルソナと言った方がイメージが沸きやすいかもしれません。要は、どんなお客さんが使っているかの代表格(イメージ)を具現化するところです。今回はあくまで僕から見たイメージだけで書いています。ここは今後の商品(ブランド)運営に大きく関わる部分ですので、ご自身に当てはめるときは、よくよく消費者を観察することをおススメします。

【ヘルシオ】は、同種の家電の中では非常に真面目なモノづくりをしていると思います。これは、シャープが0からモノづくりをするのが得意であり、独自の技術を用いて作るからだと考えます。あえて、多少高価な買い物になりますが、健康な食生活が手に入ることや、手間暇をあまりかけずに、生活の質を上げたいというこだわりを持った人物が見えてきます。より尖らせてユーザー像は思い描いた方がいい打ち手にも繋がるので、調理家電であることから日本市場を想定すると人物→女性とフォーカスして考えてみます。「自分が忙しくも家族の健康管理はキッチリしたい真面目なお母さん」という人物をイメージしてみました。もしかしたら、お金をかける余裕があるので、「経済的にゆとりのある」や忙しいこともポイントなので「共働きの」などの要素も加わるかもしれないですね。このへんも追加した方がよりシャープだったかもしれないですね。

⑥この商品が人だったら。。(personality)

とてもメルヘンな感じがするのですが、結構実際のマーケティングでは大事です。どのようにお客さんに接していたいのか?どのように思われたいのか?こういった部分が商品を人格化したときに表層化していきます。

僕のあくまでイメージですが、【ヘルシオ】は、商品の自己紹介や機能価値、情緒価値も鑑みて、キーワードとして、「健康」「自分でやれない調理を勝手にしてくれる」という印象から、『任せたときは自分にできない調理を勝手にしてくれて、家族のことを気にかけてくれる母親』という人格をイメージしてみました。何か頼んだら、勝手にやってくれるし、自分が普段やらないような処理をしてくれてて、何か同じもの作っているのにいつもより健康的な料理が出来上がってる。そんなイメージがこの【ヘルシオ】からは感じました。

⑦コアバリュー(core value)

今までのステップを通して、【ヘルシオ】がユーザーにもたらす真の価値を一言で言うと何なのか?というパートです。とても難しいです。割と物性よりになる場合もありますし、シンプルに一言で言える場合もあります。今回は【ヘルシオ】の真髄は自動で健康、自分では難しい調理を提供してくれる』というところにあるんじゃないかなと思い、一旦こんな風にセットしてみました。そうは一旦据えてみたものの、今の商品展開やカラーリングなど、諸々を鑑みると一体【ヘルシオ】はどこに向かいたいのか?非常に悩ましい面があると思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?少しでもイメージが沸いたら嬉しいですし、ご自身のお仕事やテーマに合わせて考えるきっかけになったら是幸いです。

こんな風にまとめてみると、やはりどうしても独自で持っている機能とそれに合わせた整合性を持ったブランディングが進み切れていないような気がして心配です。もしかしたら僕の勉強不足なだけで、『自動でおいしい料理ができる』というのが【ヘルシオ】ブランドの個性になっている可能性もあります。どうしても機能・性能が注目されがちな家電業界ですので、そこをうまく抑えないとすぐに似たような製品がでてきて価格競争だけの世界になってしまいますからね。

もし僕が展開を広げるとしたら、同じ加熱水蒸気による調理繋がりの家電や用途を広げた拡大とカラーリングや形状にもっとシンボリックなものを取り入れて【ヘルシオ】ブランドをもっと強固にしながら横展開を図りたいなと思います。

このハニカムモデルの考え方は逆算をしたり、応用も効くので、これからアップしていく記事やシリーズとしてまとまったら、ザッと見ていただけるといいかなと思います。

その他、ブランドに参考になりそうな書籍を以下でご紹介させてもらいます。というわけで、今日はここまでです。どうもありがとうございました!

以下、紹介書籍

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