・色んなマーケティングがあるけど、何が違うの?
・マーケティングが有効なスキルと分かっていても何に手を付けていいか分からない。
こんな疑問を抱えている方の悩みを解決できる記事になっています。
なぜなら、これは僕自身が大手上場企業のマーケティングに10年程携わった経験と、独立してマーケティングノウハウを教えることを仕事にしている友人の体験談をもとにした両極端とも思えるマーケティング経験から導き出したものだからです。
記事の前半では『マーケティング』の役割を解説しつつ、記事の後半では『数多いマーケティングの位置関係』を図解します。
この記事を読み終えることで、『マーケティングの全体像の俯瞰』ができるようになるので『あなたにとって有益なマーケティング』を見つけ出すことができます。
是非最後まで読んでみてください。
マーケティングとは?
マーケティングは今でも時代に合わせて変化を続けています。そして、歴史の浅い分野でもあります。
故に定義がとても難しいので、ここは近代マーケティングの権威であるフィリップ・コトラー先生のマーケティングの定義で表現します。
マーケティングは「ニーズに応えて利益を上げること」としました。
ターゲット像を絞り、明確になったターゲットを満足させるサービスや製品などの価値を生み出し、それを顧客に届けることによって利益を得るということです。
『ニーズに応えて利益を上げること』というのは大事なポイントだと考えています。
誰かの未充足や不便を解決して対価として報酬をもらい儲けること。つまりWin-Winが前提です。
一方がただ儲けるだけに行うのはマーケティングに非ず、ということですね。
マーケティングの流れ
定義だけ聞いても具体的にどんなことをするのかがイメージし辛いかと思います。
これは僕の経験と世界的にマーケティングに長けたグローバル消費財メーカーP&G出身の森岡毅さんの著書『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 (角川書店単行本)』
この本の中にあるフレームも参考にしつつ解説します。
まず、コトラー先生の定義していた『ニーズに応える』これを少し掘り下げて解釈すると、『顧客が解決したい本音の気持ち(インサイト)と片付けたい用事(ジョブ)』になります。
これを解決するのがマーケティングの出発点です。
そこから一つずつ順を追って解決までの道筋を整理します。
⇓
・WHO(誰に対して)
⇓
・WHAT(何を)
⇓
・HOW(どうやって届けるのか?)
これがどのマーケティングにも共通する基本フレームのような考え方です。
流れを図解すると以下のようなカタチです。
マーケティングの種類とポジション
マーケティングの名の付くものが多くそれぞれがどんな役割を果たしているか分かりにくいのが近代マーケティングを難しくさせる理由の一つだと思います。
マーケティングの種類については、他のサイトでまとめられたものがあったのでそちらを参照ください。
さて、個人的な見解ですが僕は以下の図のようにマーケティングの種類を俯瞰しています。
各マーケティングに優劣はないと考えています。また全てを網羅したものではないこと、この点ご了承ください。
マーケティングと名が付いたもの全てが前章の「マーケティングの流れ」のステップに沿って思考はされるものとも考えています。
図解ですが、マーケティングにはステップに応じて上流と下流は存在するという見解を持っています。
見方は、左側が上流(なぜやるのか?)、右側が下流(どうやって届けるのか?)の役割を担うマーケティングです。
真横の関係ほど強い関係性があります。
右側にあるマーケティングは全て包括されると考えてください。
例えば、一番左上の『パーパスドリブンマーケティング』。下に位置する「コーポレートマーケティング(ブランディング)」と「ブランドマーケティング」と同じ”何故やるのか?”というステージです。
しかし、より前提の考え方という意味合いが強くなります。
一方、右側に位置する全てのマーケーティングは『パーパスドリブンマーケティング』を実現するための戦略や戦術をよりマーケティング思考で突き詰めたものだと理解しています。
中長期・短期マーケティングの特徴
同じマーケターの中で話をしても重きを置いているところが違うなと感じさせられることがあります。
それは戦略に長けたマーケター、戦術に長けたマーケターが存在するからです。
良し悪しではありません。
どこに重きを置いているのか?この違いだけです。「そもそも何故それをするのか?」「どうすれば人の心を動かし売上に繋げられるのか?」全く違う話のようですが、同じマーケティングの範疇です。
再度、図解したものを掲載します。
中長期的なマーケティング
「なぜやるのか?」というところにしっかり軸を定める特徴があるパーパス、コーポレート、ブランドマーケティングは、顧客から選ばれる必然を作り出すことを目指します。
故に目の前を通るお客さんに商品やサービスを売る、すぐに集客するといったことにはあまり適しません。
成果が出るまでに時間がかかりますが、顧客の心の中に資産を貯め続ける活動を行い、何か類似品を利用するときに真っ先に想起してもらい、購入し続けてもらうことがゴールです。
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短期的なマーケティング
逆に売上という対価を上げるために、効率良くターゲットから購入の見込み客へとコンバートするのが短期的なマーケティングの強いところ。
自分の商品・サービスに興味を持ってもらう確率を上げるため施策を行い、PDCAを回すのがトレード、ダイレクトレスポンス、SNSマーケティングの得意な分野かと思います。
短期的なマーケティングは短い周期でPDCAを回せること、ライティングや伝え方のテクニックを工夫することで成果に繋がりやすいというのが特徴と考えています。
まとめ
以上、数多いマーケティングと名の付くものを俯瞰してマッピングしました。
また、それぞれのマーケティングには強み弱み、各々に重視すべきフェーズがあることもご理解いただけると幸いです。
マーケターを目指すのであれば、どの分野に興味があるのか?
商売をされている方であれば、どの部分が今取り組むポイントとなるのか?
参考になれば嬉しいです。
今日は、このへんで。どうもありがとうございました!
コメント
いつもこっそり拝見させてもらい勉強しています。
今年から新しく部署異動し、顧客アプローチについて勉強中です。
仕事内容としては、保険関係です。企業の保険部から従業員に保険加入してもらうために、アプローチをかけているのですが、メールやチラシを送っても従業員から反応がなくアプローチできない状態です。最近はグーグルフォームのアンケート機能で返信しやすいようにしたりしているのですが、アンケート項目が悪いのか、相談したいという返答が少なく。。会社にはお金がないため無料でメールや社内イントラにチラシを載せたりするくらいしか思いついていませんが、デジタル?に絡めたアプローチ方法やアンケート項目の考え方など、今後連載していただけると嬉しいです。
マーケティング初心者さま
コメント、そしていつもお読みいただき感謝です。
お困りについて教えていただきありがとうございます。
私にまだ深い知識のない分野ですが、今後お応えできるよう善処します。
この場で気になり連載のポイントにしたいと思ったのは2点です。
1.ダイレクトレスポンスマーケティングという分野がお困りには適していると思うので、
そちらの方をもう少し勉強したいと思いました。
これはいかに人の感情を動かし、行動を変えてもらうか?という考え方です。
2.そもそも何故顧客は無反応もしくは逃げるといった心理状態になるのでしょうか?
顧客が本当に欲しいのは保険なのか?広い意味でマーケティングをするのであれば、
そこからアプローチした記事構成も考えたいと思いました。
デジタルは近年では無料で顧客にリーチできる「手段」の一つだと思います。
貴殿含めお役に立てるようなことを考えてみたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
早速次の記事に私のお悩みごとを取り込んでいただきありがとうございます!自分の中に落とし込んでからお礼言おうと思いっていたので、ご返信が遅くなりました。。
早速、教えていただいたマーケティングのフレームを実際の業務にまとめて項目を再考してみました。元々、私は営業出身なので、とりあえず小手先の思いつき?早さが1番の状態だったのですが、このフレームに当てはめてじっくり考えると、少しずつですが、顧客ニーズに応えることができる内容になったと思います。ただ、自分の部署ではマーケティングといった言葉も聞いたことないですし、自分は新卒9年目くらいで一番下の年次で、40代後半くらいの上の社員ばかりで、本当にこの考えでいいのかな?と不安になりましたが、グループ内に考え方をまとめて意見を聞いたところ、なんの批判もなくよく考えられてるといった回答だったので安心しました。今日、営業に展開したので、反応が楽しみです。
これまでの記事全般に記載いただいていた内容も参考にさせてもらいました。ありがとうございます。保険は形がないのでわかりづらいとよく就職活動でいいますが、マーケティングでも保険に置き換えたらというところがあまりわからなかったので、将来の不安を消すためなど、具体的に記載いただいていたのがわかりやすく親切で優しさを感じました。ありがとうございます。ぐちゃぐちゃの長文ですみません。。また更新楽しみにしています。
返信が遅くなり申し訳ございません。
読んでいただいた上に行動にまで移していただいてありがとうございます。
その行動力、実行力とても素晴らしいですし、羨ましくもあります。
営業出身とのことですが、ここは全く負い目に思うことはありません。
むしろ、営業の方の方がエンドユーザーとの接点も多く、色んな気付きが多いものです。
顧客がないがしろにされたマーケティング活動が失敗するというのは浅くも歴史が証明しています。
私も営業に携わることによって冴えてきた感覚もあります。自信を持っていきましょう!
一筋縄ではいかないのも悲しいかなマーケティングの性です。
また何かお困りのことがあれば、遠慮なくコメントいただけると幸いです!
今後ともよろしくお願いいたします。