仮面ライダーセイバーは何故おもしろくない?平成ライダーのお約束から比較

ブランド

皆さん、こんにちは。

2021年放送の仮面ライダーセイバーがおもしろくない

「セイバー」「おもしろくない」と検索エンジンの予測にも上がってくるほど、世論としては不評なシリーズと言えそうです。

僕は平成の仮面ライダーを2000年放送の仮面ライダークウガからどのシリーズも欠かさず見てきました。

若手俳優の登竜門と言われるようになった平成以降の仮面ライダーシリーズです。

毎度リアルタイムで見て、後に別の作品で人気が出るようになった俳優が取り沙汰される度に「その人、ライダーに出ててずっと知ってるけどな」と心の中で思っている派です。

さて、今回の記事では何故仮面ライダーセイバーが面白くないのかを考察します。

ずっと仮面ライダーを見てきた僕としては、平成ライダー以降には『お約束(ブランド理念)』のようなものが存在すると考えています。

仮面ライダーが不評な理由をその『お約束(ブランド理念)』に沿って解説をしていきます。是非最後まで読んでいってください。

仮面ライダーのお約束

そもそも仮面ライダーにどういうストーリーなのでしょうか?

ストーリー構成にはテッパンが存在すると考えています。このテッパンこそが『仮面ライダーのお約束(ブランド理念)』です。

誰が(WHO)?何を(WHAT)?どのように(HOW)?成し遂げる物語なのかを整理しておきます。

(WHO)過去や人生において背負った宿命やハンデなどネガティブな側面がある主人公が、

(WHAT)人類や地球の征服を目論む自分より強大なヴィランから自分の大切な人や日常の平和を、

(HOW)仲間との友情やチームワークを通して、努力を重ねて、挫折を乗り越えることによってヴィランよりも強いパワーを手に入れて平和を取り戻す。

これが、特に平成ライダー以降のテッパンストーリー構成です。

僕はここに仮面ライダーが仮面ライダーたるブランド理念があると考えています。

簡単に言うと、「普通の青年が数奇な運命に巻き込まれて世界の平和を守るため仲間と切磋琢磨しながら悪い奴をやっつける」のが仮面ライダーです。

これを仮面ライダーセイバーのケースに当てはめて考えていきます。

(WHO)主人公がどのような設定か?

僕たちが何故「過去や人生において背負った宿命やハンデなどネガティブな側面がある主人公」を求めるのでしょうか?

それは僕たちが自然と自分を主人公に感情移入しやすくするためです。

仮面ライダーの主人公も普通の人間なのです。

今までの主人公はどんなに格好良くて、明るく振る舞って、飄々として、人気があっても必ず何かしらの辛い過去や経験がありネガティブなものを背負っています。

このネガティブなものを徐々に克服していくという「成長」も仮面ライダーシリーズのストーリーを面白くする一つのキーポイントだと考えています。

仮面ライダーセイバーはどうでしょう?

主人公の神山飛羽真(かみやま・とうま)は小説家にして書店の店主。セイバーのキャッチコピーも”文豪にして、剣豪”とあるように小説家として若くして成功しているという経歴があります。

子ども時代に今回の舞台である”ブックワールド”にまつわる事件に友達と一緒に巻き込まれた過去を持つがその描写や本人の記憶も曖昧な感じ。

今の脚本上かもしれませんが、まず主人公に感情移入がしにくいです。

「いや、コイツ成功者だし、返信する”聖剣”にも選ばれて特別じゃん!」

そう。今回の主人公は変にイケているんです。だから僕たち一般人は主人公を心の奥底から主人公を応援する気持ちになれないのだと思います。

(WHAT)何を解決するのか?

仮面ライダーは、人類や地球の征服を目論む自分より強大なヴィランから自分の大切な人や日常の平和を守るために戦います。

つまり、仮面ライダーが明快で面白くあるには、

・強大なヴィランの人類や地球征服という分かりやすい目的があること
・主人公に守るべき大切な人や日常があること

この2点が欠かせません。

今回の仮面ライダーセイバーはというと、メギドというシンプルに分かりやすい敵が世界を手中にしようとしていること+ソードオブロゴスという剣士たちが所属する組織が世界征服をしようとしています。

つまり、外にも内にも敵がいる。そして、メギドと自分たちの組織のトップが裏で手を引いていてやや協力している(?)という、かなり複雑な敵対関係になっている。

シンプルに分かりにくいです。設定が複雑すぎる。

主人公たちは誰から平和を守ろうとしているのかが分かりにくい。

そして、平和を享受するはずの人々の描写があまりにも少ない。今までは分かりやすく「おやっさん」「ヒロイン」「逃げ惑う一般庶民」が仮面ライダーが守る人や日常として描かれてきた。

・自分の守りたい日常
・守るべき世間の人々

仮面ライダーセイバーは、この描写が圧倒的に少ないためライダーたちが何のために戦っているかが良く分からないのです。

何か誰も迷惑がかかっていなところで勝手にドンパチやっている感じ。ここにどこか視聴者が自分ごと化できない要素があるのではないかと思う。

(HOW)どのようにして解決するのか?

仲間との友情やチームワークを通して、努力を重ねて、挫折を乗り越えることによってヴィランよりも強いパワーを手に入れて平和を取り戻すのがテッパンだと考えます。

ここで大事なポイントは3点あります。

・仮面ライダーはヴィランより丸腰に近いこと
・仲間との友情やチームワークがポイントであること
・挫折を努力で乗り越えて敵に打ち勝つこと

仮面ライダーセイバーはどうでしょうか?

武器について

今まで武器を持ったライダーは何人も登場してきました。しかし、ヴィラン同等以上の武器を最初から持っている1号ライダーは意外と少ないのです。

僕たちはどうやら丸腰に近い弱者のライダーが強くて武器も持った敵に立ち向かうことに応援したくなる気持ちをかき立てられているようです。

セイバーは最初から敵同等以上の武器を持って倒しているというところにどこか拍子抜けする部分があるのかもしれません。

友情、チームワークについて

主人公ライダーの成長には仲間とのライバル関係や友情、チームワークが欠かせません。

ここでもどうやら僕たちは、誰かと協力や競争を通して困難を解決をする姿に心を打たれるようです。

しかし、仮面ライダーセイバーはストーリー序盤で仲間割れがめっちゃ起こります。

何か仲間内で派閥のようなものができるのですが、現実世界に置き換えると気持ちが良くないですよね?

そして友情を育み切磋琢磨するはずの2号、3号ライダーとは仲間割れ、一人は闇落ち。

僕たちが望んでいたような友情やライバル関係は描かれていないというのが正直な感想です。

挫折、努力、勝利

強大な敵に挑み敗れるのも仮面ライダーのテッパンです。

ここで仲間やライバルと協力することで過去の自分を乗り越えパワーアップして敵を倒すというところにワンパターンですが、気持ち良さがあります。

前述したとおり、本来友情やライバル関係を結んでほしい2号ライダーと3号ライダーとうまく付き合えない状態が続きます。

そのため、主人公の1号ライダーが何か勝手に試練に挑んでパワーアップしてしまっているという感覚が否めません。

どこか自分の力だけで強くなる主人公に感情移入や応援がしにくい。そんな構図が出来上がっているのだと考えます。

まとめ

本記事を書いているのが、ストーリー中盤なので今後の巻き返しには期待したいです。

期待したいが、最初の設定や展開に我々仮面ライダーファンの期待から遠いところを走り続けていることは否めないと事実です。

そこも含めてひっくり返してもらうことを願っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました