【商品企画】競合の新しい商品スペックはマネした方がいいのか?

マーケティング

皆さん、こんにちは。

・他社で新しい機能を出してきた追いかけるべきか?
・トップシェアの会社が趣向の違ったモノづくりをしてきた、追従すべきか?
・周りの競合は全て同じスペックを付けている。自分も付けないといけないのか?

競合、特にシェアの高い企業が新しいことをしてくると同じことをすべきか自分だけでなく、会社の方針もそこに振り回されがちではないでしょうか?

僕は、商品企画・マーケティングに8年ほどのキャリアがあります。特に家電の商品企画時代は機能的な価値の側面が多かったので、このスペックや機能、仕様を競合にとても影響を受けやすい傾向にありました。

この記事では、競合が出してくる商品スペックに対して自社がそれに追従すべきかについて僕の経験から目的やポジションによって判断は異なることをご紹介します。

この記事を読んでいただければ、ご自身の担当する企画の本質がどこにあるのかを少しでも明確にできると思うので是非最後まで読んでみてください。

マネが正義かは状況次第

本当はマネすべきではない!と、言いたいところですが、状況次第というのが結論です。

その状況について簡単にまとめたのが下記になります。

【マネした方がいい場合】
① 競合のスペックがその分野の競争における機能として最低ラインとなる場合
② 市場シェアが6.8%~10.9%の場合
③ 自社がトップシェアの場合
【マネしない方がいい場合】
① 競合のスペックが業界の常識とならない場合
② ①に当てはまらず、トップシェア企業に挑戦する側の場合
③ そのスペック改良による投資で自社が破綻するようなリスクを負う場合

実は書き方は違いますが、「マネする」「マネしない」の番号を振った項目は同じことの裏返しに近いです。

ご自身の状況を冷静に分析して、上記のどこに当てはまるかを確認して選択するのが一旦は賢明かと思っています。

理由について僕の商品開発の経験を踏まえて解説させていただきます。

なぜ状況によって変わるのか?

そのスペックが競争のベースになる場合があるから

解釈には幅があるものの競合のスペックが今後その業界の商品として当たり前になるのであれば、マネをすべきです。

レベル感としては、そのスペック(機能)がないとお客さんの選択肢に入らないかどうか?という点で見てもらえたらと思います。

微妙な例えで恐縮ですが、普通の軍手と滑り止めのある軍手があります。

滑り止めがあることは便利ですが、その滑り止めというスペックがないとお客さんの購入の選択肢に入らないか?

この点でいくと普通の軍手でも事足りるので、全ての軍手が滑り止めを付ける必要がありません。

例えば全自動洗濯機。

時代の変化を経て、洗いと脱水を異なる洗濯槽で行ってきた二槽式洗濯機から今の洗いから脱水まで一つの洗濯槽で済ませられる一槽式が常識になりました。

もはや二槽式洗濯機はニッチな存在なので、今の競争の基準は一槽式洗濯機です。

お客さんの当たり前が塗り替わり、選択肢が変わるようなスペックについては追従しなければ競争のスタートラインに立てなくなってしまいます。

ランチェスター戦略の観点もあるから

市場のプレーヤーには4つの区分があるとされています。

・リーダー シェア26.1%以上
・チャレンジャー シェア19.3%
・フォロワー シェア6.8%
・ニッチャー シェア2.8%

もう少し詳しく知りたい方はコチラもどうぞ。

動画もいいですね。(中田敦彦のYoutube大学

リーダーは市場における強者にあたるので、他社から新しいスペックがあればミートといって同じことをすればOKです。

数や信頼の上で圧倒的に優位なので、同じことをしても選ばれる可能性がとても高いからです。

その逆でトップシェアの企業以外は基本的には差別化できるスペックを身に着けてリーダーに挑むというのがセオリーです。

過去、僕の経験ですと、洗濯機の操作ボタンをリーダー企業が後ろに付けましたが追従しませんでした。

会社のお偉いさんから「強者にくっつけ」という指示がありましたが、シェアやブランド価値で劣るチャレンジャーの自社がマネをする意義がない点と提供したい顧客への価値ともそぐわないと判断したので「嫌です」と断りました。

大きなリスクを取ってしまう場合はNGだから

いくら競合の出してきたスペックが業界の常識になり、顧客の選択の基盤になったとしても自社の身に余る投資を伴うのであればマネをするべきではありません。

競争は自分が生き抜くことを前提に行うものです。

大きなリスクを背負って一か八かの勝負に出て負けたときに再起不能になるようなリスクテイクはしてはいけません。

非常に難しい舵取りになりますが、死なないレベルの辛抱とリスクを取れる準備をして強者を追いかけるというのが生き残る戦略となります。

まとめ

以上、競合が新しい商品スペックを出してきたときにマネをすべきかどうかについて考え方を紹介させていただきました。

【マネした方がいい場合】
① 競合のスペックがその分野の競争における機能として最低ラインとなる場合
② 市場シェアが6.8%~10.9%の場合
③ 自社がトップシェアの場合
【マネしない方がいい場合】
① 競合のスペックが業界の常識とならない場合
② ①に当てはまらず、トップシェア企業に挑戦する側の場合
③ そのスペック改良による投資で自社が破綻するようなリスクを負う場合

簡単にまとめると上記のようになります。

明確な答えはなくて申し訳ないのですが、自社や自分の立場や戦況を考えたうえで対応について考えていかなくてはいけません。

ただ基本的には、トップシェアの企業以外はマネはNGです。

以上、情報が役に立ったり、考えるきっかけになったら嬉しいです。

今日はこのへんで。どうもありがとうございました!

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