皆さん、こんにちは。
突然ですが、こんな記事を見つけました。
日本メーカーの進歩の仕方にここ5年相変わらずだなと思ったのでその内容をお話します。
・こういうことよくあるある。あればいいなと考えていた機能。
こんなことがよぎった企画マン、マーケター、一般のアナタはちょっと待ってほしい。これは本当に僕らが冷蔵庫を購入するときに重視するポイントでしょうか?
僕は、大手の電機メーカーと食品メーカー合わせて8年ほどのキャリアがあります。業界の違う2社で経験を積むことによって、こういったハードが強い(冷蔵庫なら冷えたらOKとか)商品であっても色んな顧客の心の動きがあることに気付けました。
そこでこの記事では、今回紹介したようなパナソニック・日立の事例が商品の訴求や進化のポイントとしてピントが合っていないと考えるポイントをお話します。
この記事を読んでいただければ、冷蔵庫についての本来注視すべきニーズについては知ることができます。あくまで個人的な見解ですが、あまり他に考察例もないと思うので是非最後まで読んでみてください。
今後トレンドになりそうな庫内残量検知は本物か?
僕たち商品企画やマーケターは「買いたい!」と思ったお客さんのニーズを満たす、もっと細かく言えばジョブ(片づけたい用事)を自社の商品を購入することで済ませることができるか?
この一点に尽きると考えています。
では、逆から問いをかけると冷蔵庫を買う動機に「冷蔵庫の庫内の状況を外から確認したい」というニーズ、冷蔵庫の中身が外から確認できなかったことのフラストレーションが溜まって、どうしようもなくそんな冷蔵庫が欲しいと思うか?
僕の答えは「NO」だと思います。
こんな機能の追加は正直言って、技術のドングリの背比べのようなものです。「新しい!」とは言えても、やっていることは消費電力量を下げましたと大差ありません。
冷蔵庫のニーズ
ジョブ(片づける用事)まではお客さんに入り込めていないので言及はできないのですが、ニーズについては少なくとも以下の4つは存在すると考えます。
ニーズの名称については、僕の語彙力が少ないのでご容赦ください。
保管ニーズ
まずは「冷えたらOK」とだけ考えるニーズ。
一見元も子もないニーズですが、食べ物の世界でも「食事補完」といって腹見たしのようなニーズが存在します。
つまり冷蔵庫も食品を冷やしてくれたら何でもOKと考える層は一定数いると考えます。
このタイプのニーズを求める人は小容量タイプがメインですが、どの容量タイプにも存在すると思います。
インテリア・表現ニーズ
キッチンを自分のテリトリーと考えて見た目にもこだわるタイプの人がいると思います。
そんな中で冷蔵庫は大きな面積を取るキッチンのメインを張る家電の一つです。
この冷蔵庫をキッチンの内装と調和させて「見た目を重視したい」そんな人は少なくないと考えます。
ここを満たしてあげることでお客さんの自己肯定感を刺激したり、他所の人が来ても堂々と見せたくなるキッチンを作り上げることに貢献できます。
生活簡便ニーズ
主に使う世代が共働きなどになりそうですが、家族の日々の暮らしを不自由させたくない。だけど、自分は効率的に動けてサボっているというような面は見せたくない。
そんな生活の用事を便利に簡単に済ませることを根本的に求めている人も多いのではないでしょうか?
今ある機能からすると冷凍庫が大きい、切れちゃう冷凍、野菜室の野菜が長持ちする、こんな機能はこのニーズに合うものだと考えます。
食事表現ニーズ
日々提供する食事で自分の存在を表現(アピール)したいという層のニーズです。
家族や自分に「良いをもの提供したい」「身体を労わりたい」「健康でいてほしい」そんな欲求を自己表現としてする人もいると思います。
機能でいくと例えば、冷凍した肉・魚のドリップが少ない、チルドの性能がよくて品質が落ちにくい、野菜を入れると逆においしくなる。
ちょっと狭そうですが、料理に関わる仕事にプロ意識を持った人が持つニーズになりそうです。
まとめ
個人的な見解になりますが、ニーズという側面から見ても「冷蔵庫の残量を外から確認する」といったところに購入動機に繋がるポイントがなさそうです。
ましてやお客さんのジョブという面から見るとこんな機能のためにお客さんが冷蔵庫を買わないことは明白だと思います。
今回のような機能を付けたり、取り上げるメディアがいることを考えるとかなり苦しい企画・開発事情が目に浮かびます。
毎年新しいことをやって価格を維持するのに必死な数年前からあまり進歩がなさそうです。
今一度、自社の強みやお客さんのことをよく見て企画や事業形成を行ってほしいですね。
以上、何か情報が役に立ったり、考えるきっかけになったら嬉しいです。
今日はこのへんで。どうもありがとうござました!
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