皆さん、こんにちは。
・今のトレンドを商品に反映したい
商品やサービスを作る側の人間になると流行、トレンドものとは付き合わないといけませんが、それを全部取り入れる必要があるのか?と疑問に思ったことはないでしょうか?
僕は、大手電機メーカーの商品企画・大手食品メーカーのマーケティングのキャリアが2012年からあります。流行・トレンドには振り回された経験もあるため、上手な付き合い方も身に付いてきました。
この記事では、商品企画やマーケティングにおいてトレンドとの付き合い方についてご紹介します。
この記事を読んでいただければ、そのトレンドはすぐに取り入れるべきものなのかはヒトを観察して本質を掴むことが大事であるという側面があることを知っていただけます。是非最後まで読んでみてください。
トレンドの本質は何か?
ここが結論にして一番大事なポイントです。
トレンドは同じ業界のものであっても誰のトレンドなのか本質を理解すべきです。
現象には必ず理由があります。トレンドを2パターンの思考で分解してみましょう。
分かりやすい例として『タピオカドリンク』を挙げてみます。
①WHO-WHAT-HOW
WHO(誰に)、WHAT(何を)、HOW(どのように)で仕掛けたトレンドを分解してみます。
タピオカドリンクは、以下のような構図が考えられます。
(WHAT)手頃で手軽に持ち運び長く楽しめ腹持ちもいいスイーツを
(HOW)街中でオシャレ写真映えする容器で提供
これは自分自身も体験したり、ヒトを観察することによって手に入れた仮説です。
これがタピオカドリンクの本質だと考えています。
それは後に「わらび餅ドリンク」「白玉ドリンク」「ナダテココドリンク」のような派生品が出てきたことが証明してくれています。
本質は皆同じで中身が変わっただけでした。これがタピオカドリンクブームの本質です。
『タピオカ』というワードに反応しすぎると『タピオカ』ありきになってしまいます。
②顧客の済ませたい用事は何か?
これはクリステンセンのジョブ理論です。
タピオカドリンクを購入した顧客が済ませたい用事は何か?
シンプルにして割と難しい問いですが、仮説として紹介してみます。
タピオカドリンクは『移動しながら長時間喉を潤し、小腹を満たす』という用事のために顧客から採用されたと考えられます。
これが何故トレンドになったかと言うのは、色んな要因が重なりますが、
・見た目がオシャレで持ち運ぶ自分にも納得できたこと
・移動に耐えうる容器形態であったこと
・カフェで腰を落ち着けるのではなく、アクティブに遊びたかった
以上のような要因を全て狙ったわけではないと思いますが、時代ともマッチしてトレンドになるに至ったと考えられます。
現在、タピオカドリンクが下火なのはコロナ自粛のせいというのは言い当ててないと考えます。
『移動する』という機会が失われたため、違うものに役割を奪われた。
これが本質的な構図だと思います。
自分の商品やビジネスとマッチするのか?
トレンドの本質を抑えると同時に自分の商品やビジネスの本質も抑えなければいけません。
例えば、僕がアイスクリームの担当だったとします。
今回の例に出した『タピオカドリンク』のトレンドに乗っかって商品開発をすべきか?という問いが社内で飛んできたとします。
ビジネスの考え方によると思いますが、いっちょ噛みするのであれば『タピオカドリンク風アイス』を作ります。ブームに乗じる商法であればやるでしょう。
ただ、商品ブランドを大事にして本質を捉えるのであれば100%このトレンドには乗りません。
理由は『タピオカドリンク』の本質的な価値をアイスクリームでは体現できないからです。
自分の商品やビジネスがトレンドとマッチするのか?ここは良く考えておくべきポイントになりそうです。
開発は追いつくのか?
自分の商品やビジネスがトレンドに乗じるに値したと仮定しましょう。
ここで出てくる問題は、今から開発をスタートしてトレンドの波に乗れるかどうかです。
半年、1年も経過していたらトレンドは次のものに移行しているかもしれません。
即座に対応できるなら乗じるチャンスもあると思います。
ただやはり本質的には自分の商品やビジネスの利用者(ヒト)をよく観察することによって、長く習慣的に使ってもらうような商品を考える方が僕としてはオススメです。
まとめ
商品企画や開発をするにあたり流行・トレンドとの付き合い方について紹介させていただきました。
新機能やトレンドが出てくると乗じようと飛びつこうと思う気持ちはよく分かります。
ただ、新機能やトレンドは世の中で起きている表面的な現象であることを理解し、本質は何なのかを考えるクセを付けることで動じません。
動じないないだけではなく、淡々と自分のできることに徹し、戦況を読みながら効率よくリソースを配分して違った打ち手を出すことに繋がってきます。
以上、情報が役に立ったり、考えるきっかけになったら嬉しいです。
今日はこのへんで、どうもありがとうございました!
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