【商品企画の進め方】電通ハニカムモデルでアラジン【マーケティング・ブランド】【実践編】

ハニカム

皆さん、こんにちは。

このブログでは基本的には、自分の気になった商品、サービスの考え方を自分なりの新しい目線で解説し、サービスの向かう方向性や向かって欲しい方向性を発信していきます。

読者の皆さまには、自分の携わる仕事、サービスや商品の捉え方を変える気付きになれたら嬉しいです。というには、電機メーカー、食品メーカーの商品企画・マーケティングの仕事を通して、日本のブランディングやマーケティングって海外と比べて弱いなと思ってます。そんなブランディング・マーケティング弱者の日本メーカーに居ながらの発信ですが、少しでもJAPANのモノづくりやサービスが良くなるように微力ながら発信していきたいと思います。いいなーっと思ったら、親しい人にもシェアしていただけるとこれ幸いです。

さて、今回は前回ご紹介した電通ハニカムモデルの実践編です。この『ハニカムモデル』よくできたフレームワークだなーっと思う一方、イマイチ使い方だったり、自分のケースに当てはめるときの考え方が難しかったりします。

なので、ここで身の回りにある商品やサービスをあくまで個人的な見解ですが、考察してみるので、『慣れ』の場として見て参考にしていただけたら嬉しいです。

【アラジン】のハニカムモデル

はい、ご存じな方、お世話になっている方もこれもチラホラいるのではないでしょうか?【アラジン】を今回のテーマとして解説していきたいと思います!何故【アラジン】なのか?今朝たまたまテレビで紹介されていたからです!はい、構造としては以下の図のように考えてみました。

①シンボル(symbol)

ここには、その商品・サービスが何を見て、聞いて、感じて想起できるか?ということを落とし込んでいきます。【アラジン】はランプのマークとレトロなペンキのような緑と白といったイメージと合わさると、パッと「あ、これアラジンの商品だ」と気付くことができそうなので、シンボルはランプのマークとレトロなペンキのような緑と白のカラーとなります。

これは商品の顔と言える部分なので、ここでその商品(ブランド)にない、もしくは突拍子もないことをすると失敗してしまうことになるので、商品の派生には、やはり注意が必要ですね。

②そのブランドの信頼の源泉(base of authority)

もうこのへんから難しくなっちゃうのがハニカムモデルの難点でしたね。要は、その商品が必ず約束してくれると信じていること。ここは次に説明する機能価値と混同しがちなのですが、このへんは今後アップする記事を増やすので『慣れ』でお願いします!

ちなみに【アラジン】が必ず約束してくれること(base of authority)は、点けた瞬間から暖かさ(熱)を提供してれる家電ここが【アラジン】といえば!というとこだと多くのユーザーは考えていると思います。あの特許だと言っている点けてすぐ発熱するグラファイトと呼ばれる素材を搭載したものですね。

①と②を合わせて『This is~』とまとめることができるようになります。なので、今回は【アラジン】とは、ランプのマークとレトロな緑や白のカラーリングをしたパッとすぐ瞬間的に暖かさ(熱)を提供してくれる家電。こんな風に商品の自己紹介ができるようになります。

③機能価値(functional benefit)

ここは簡単に言うと、その商品の特徴です。アラジンの場合はもう唯一無二の1個かなと思います。

  1. 遠赤グラファイト搭載(0.2秒で発熱が立ち上がる特許素材)

このへんが経験上、そしてホームページからも分かる特徴になります。このような特徴はただそうであるだけではなく、次の情緒価値と紐づいていくことでユーザーにとってかけがえのないことが何なのかが明らかになってきます。次にいきます。

④情緒価値(emotional benefit)

③の機能価値で明らかになった商品の特徴がユーザーをどのような気持ちにさせているか?どのような気持ちに繋がっているか?を紐解いていくパートになります。あくまでパッと思いついた参考例になりますが、以下のように考えます。

  1. 暖房は、冷えた身体を素早くあたため安心させてくれる
  2. 調理家電は、短時間でプロのような仕上がりを楽しませてくれる

大体、機能価値と対になることが多いです。多いのですが、今回のケースは用途の違う商品がラインアップされるので二つに分けました。本当は、統一できる価値があればそっちの方が今後の広がりも持たせやすくなります。ここは今回瞬発的に考えているので、統一できず実力不足で申し訳ないです。

ここまで来ると何となく【アラジン】がアラジンである理由や、どんな風にして替えの効かない存在になってきているかというのが分かってきたのではないでしょうか?【アラジン】がその他の家電メーカーと比べてどんな風に違うのか少し輪郭が見えてくると思います。

⑤顧客イメージ(ideal customer image)

ご存じな方はペルソナと言った方がイメージが沸きやすいかもしれません。要は、どんなお客さんが使っているかの代表格(イメージ)を具現化するところです。今回はあくまで僕から見たイメージだけで書いています。ここは今後の商品(ブランド)運営に大きく関わる部分ですので、ご自身に当てはめるときは、よくよく消費者を観察することをおススメします。

【アラジン】は、同種の家電の中では高価な部類に入ると思います。あえて、このパッと暖まることや、加熱させることを高いお金を払って得ているということから、生活の質に対するこだわりを持った人物が見えてきます。より尖らせてユーザー像は思い描いた方がいい打ち手にも繋がるので、生活家電であることから日本市場を想定すると人物→女性とフォーカスして考えてみます。「普段の生活をもっと快適により良くしようとこだわりのある女性」という人物をイメージしてみました。もしかしたら、お金をかける余裕があるので、「ゆとりのある」や「子育てが落ち着いた」(お金と時間に余裕で出そうなので)このへんも追加した方がよりシャープだったかもしれないですね。

⑥この商品が人だったら。。(personality)

とてもメルヘンな感じがするのですが、結構実際のマーケティングでは大事です。どのようにお客さんに接していたいのか?どのように思われたいのか?こういった部分が商品を人格化したときに表層化していきます。

僕のあくまでイメージですが、【アラジン】は、商品の自己紹介や機能価値、情緒価値も鑑みて、キーワードとして、「魔法(のようにパッと)」「最高の仕事をする」それでいて「ランプ」というシンボルもやはり印象的なので、『呼んだときはすぐに最高の願いを叶えてくれる魔法のランプの精霊』という人格をイメージしてみました。もうジーニーですよね!笑 でも、カラーはあくまでレトロなので、ディズニーアニメに出てくるようなファンキーなジーニーではなさそうですね。

⑦コアバリュー(core value)

今までのステップを通して、【アラジン】がユーザーにもたらす真の価値を一言で言うと何なのか?というパートです。とても難しいです。割と物性よりになる場合もありますし、シンプルに一言で言える場合もあります。今回は【アラジン】の真髄は『魔法のように、すばやくあったかというところにあるんじゃないかなと思い、一旦こんな風にセットしてみました。でもこれは、既にホームページの商品紹介でも掲載されていました。ただ、ここは中々ポイントを抑えているなと思いました!

まとめ

いかがでしたでしょうか?少しでもイメージが沸いたら嬉しいですし、ご自身のお仕事やテーマに合わせて考えるきっかけになったら是幸いです。

こんな風にまとめてみると、『魔法のように、すばやくあったか』というメッセージはブランドのキャラクターを捉えていて、めちゃめちゃいいなーと思いました。一方で【アラジン】ブランドの使い方というか派生の仕方には少し心配な点がありました。

元々は【アラジン】ヒーターはイギリスの<ブルーフレーム>というストーブを輸入販売するところからスタートしています。そこからヒーターの技術を高め、皆さんが良く知る【アラジン】のすぐにあったかくなるヒーターが誕生します。(以下、商品参考に)

ここから特許の遠赤グラファイトを活用してトースター、グリルにもアイテムを拡大します。ここまでは自社にある技術と提供価値がマッチする方向へ商品を拡大するということで【アラジン】ブランドを付けたまま展開するというのは、とても良い方向に見えます。

しかし、ここから今日のテレビの情報で初めて知りましたが、カセットコンロ式でキャンプとかにも使えるガスヒーターを【アラジン】のブランドで出しているじゃないですか!しかも、めっちゃポップな色で。アカン!個人的にですが、こんな広げ方をしてしまっては、元々築き上げてきた【アラジン】ブランドが台無しになっちゃう!ヒットしてるから、その冠を他にも被せてみたいな展開はいずれユーザーの認識ともズレが起こってきて、訳の分からん競争に巻き込まれ、自分(ブランド)が何であるか分からなくなって迷走。。みたいなことが起こってしまう。

カセット式のガスストーブは、これはこれで良い商品なので、違ったブランドで販売するOR【アラジン】たる所以だった特許の遠赤グラファイトを搭載して意味のある価値付けをする。こういったアクションが必要だったと考えます。(ちなみに商品は以下なので、興味があれば。。)

もし僕が展開を広げるとしたら、同じ熱源繋がりの家電としてドライヤーとか、ホットプレートとか、そのへんから似たお客さんを取り込んでいって、ブランドを大きくするようなことをすると良いのではないかと思いました。

このハニカムモデルの考え方は逆算をしたり、応用も効くので、これからアップしていく記事やシリーズとしてまとまったら、ザッと見ていただけるといいかなと思います。

その他、ブランドに参考になりそうな書籍を以下でご紹介させてもらいます。というわけで、今日はここまでです。どうもありがとうございました!

以下、紹介書籍

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