皆さん、こんにちは。
・データを反映した商品開発だったのに今ひとつヒットしない
マーケティングや商品企画の立場でビッグデータをアナリストから提供してもらったり、POSデータ+属性で傾向を掴んでいる方も多いのではないでしょうか?
僕は、商品企画・マーケティングのキャリアが2012年からあります。商品企画に携わった当初はあまり正確なデータすら手に入れられなかったので、データが手に入ったときはコレが成功する開発の地図かのように見えました。
しかし、実際は違います。後ほど説明しますが、データは現象です。
この記事では、商品企画担当やマーケターがデータ分析だけでは終わっては成功が近づかない理由を紹介します。
この記事を読んでいただければ、データが一つの傾向であること。それを活用して開発や施策に活かすことが商品企画、マーケターの仕事であることを理解していただけます。是非最後まで読んでみてください。
データアナリストを否定するものではない
データアナリストという職業も存在しますが、それが価値がないということではないことあしからずご了承ください。
マーケターはデータの表面だけを見ていてはいけないというのが本題です。
ちなみにデータアナリストとは以下のような仕事を指します。
データアナリストとは、データ分析の専門家です。企業のデータベースに蓄積される大量のユーザーデータなどを集計・分析することで、ユーザーの行動や将来のニーズを解析・予測し、自社やクライアントが抱える課題の解決を支援します。(出典:レバックキャリア)
データは現象
データは結果であり、起こった現象が数値化されたものに過ぎません。
なのでそこには何かを完全に意思決定するようなパワーはないと考えた方がよいです。
例えば、お菓子業界のガムが10代女性を中心に過去3年で年10%ずつの売上伸長があったとします。
もし、このデータを聞いて10代女性向けのガムを作るという施策を打てば失敗に終わります。
もう一つ例えで、コロナ禍になり消費財では良く名前の知れたブランドの商品がよく売れる傾向になりました。
もし、ここで大きなブランドを持つ会社がそのブランドの派生品をたくさん作ったら失敗に終わります。
一見データ通りに進めるので成功しそうですが、何故失敗が多くなるのでしょうか?これは波に乗り遅れたとかそういった概念の話ではないのです。
なぜデータ通りに従うと失敗が多いのか?
なぜ前章のようにデータ通りに読み取って施策を投じても失敗するのでしょうか?
それはデータが結果だからです。
結果が起こるには要因があります。この要因を抑えることがマーケターとして大事です。
少し堅い話になるので、先程の例に当てはめて説明してみましょう。
お菓子業界のガムが10代女性を中心に過去3年で年10%ずつの売上伸長
⇒これは結果です。
■要因: 噛む力の弱まった若年層に対して最初から柔らかく味の長続きするガムが発売された。
これはデータは適当なのですが、実際にロッテの『フィッツ』というガムが起こした現象です。
この要因に気付いていなければ、データ上伸びている10代女性のガム市場に投資をして失敗する確率の方が高いでしょう。
コロナ禍になり消費財では良く名前の知れたブランドの商品がよく売れる傾向になった
⇒これも結果です。
■要因: コロナ禍で買い物を手早く済ませる傾向になり、意思決定を早くするため、馴染みのある安心できる商品を購入する傾向ができた。
これは実際に市場で起こったデータであり、現象です。
その要因は上記で書いたとおりです。もしこの勢いに乗っていくら強いブランドであっても派生品をたくさん作ったところで新しいものをじっくり見て購入する余裕は消費者にないため、恐らく大きな成功はなかったでしょう。
データの背景こそが本質
データはその傾向を掴んだり、視覚的に内容を確認するのに非常に優れています。
説明するときにはデータを求められることも多いですよね。
ただ、このデータだけに振り回されてはいけません。
商品企画担当やマーケターはこのデータが「何故」起こったのか?ここをしっかり考えるようにしましょう。
この「何故」の先にデータが結果として表れた現象の本質が隠れています。
その本質を見極めて、商品や施策に活かしていくのが商品企画、マーケターの役割です。
まとめ
商品企画担当やマーケターが出てきたデータをそのまま鵜呑みにしたり、分析をするだけに留まってはいけない理由について紹介しました。
データは現象であり、結果です。
その背景には要因が必ずあって、それが本質です。
この本質を見ずして施策を考えることは非常に危険ですので、できるかぎりそのデータが何故そのような結果として出てきたのか?
そこを問うクセを付けていきましょう。
以上、情報が役に立ったり、考えるきっかけになったら嬉しいです。
今日はこのへんで。どうもありがとうございました!
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