マーケティングに強い小売店と弱い小売店に真っ二つな理由

ブランド

皆さん、こんにちは。

・買い物はネットで済ませてしまう
・特定の商品を除くとどこで買っても同じだと思っている
・できれば一番安いところで買いたいと思っている

我々が生活用品を購入する小売店。買い物をするときこんなことを考えていないでしょうか?

僕は、商品企画・マーケティングのキャリアが2012年からあります。大手の小売店には専用品なども作るのに携わってきましたが「どこで買っても同じでしょ?」という消費者目線での考え方があります。

これは大手の小売店側のマーケティング及びブランディングの問題だと考えています。

この記事では、なぜ大手小売店がマーケティングが必要なのに今はできていないのかについて考えられる3つの視点について紹介します。

この記事を読んでいただければ、マーケティング強者の小売店とそうでない小売店が存在することと、なぜマーケティングができていないのかについて知っていただけると思います。是非最後まで読んでみてください。

現状マーケティングに強い小売店・弱い小売店

僕は2021年現在、マーケティング及びブランデイングに優れている企業とそうでない企業は二分されていると考えている。

大きく分けると、製造小売業(SPA)とセレクトショップの形態は強者。メーカー品を仕入れて置くことがメインの小売は弱者。

マーケティング・ブランディングの観点で強者と弱者の例は以下です。

【強者(例)】
・ユニクロ ・ワークマン ・無印良品 ・BEAMS
【弱者(例)】
・セブンイレブンなど(コンビニ) ・ヤマダ電機など(家電量販店)

現状だけで言うと製造から小売まで一環して行っているSPAの形態を取る企業は、自社が製品を作るときの軸(理念)がしっかりしているし、お客が自社に何を求めているかをタイムリーに理解している。

結果それを商品や売り方、プロモーションにも反映できているのでマーケティングに長けている。そしてブランドを強くしていっている。

これはセレクトショップの形態を取るBEAMSも近い。販売する商品のピックアップの軸が整理されている。

その上で、メーカーにそれに合わせた商品を製造依頼できていることで「BAEMSに行けばこんな姿になれる」といった想起ができるようになる。

企業の理念が現代版に再定義されていない

反対を言うと前章でマーケティング弱者に挙げた業界はまだ大量生産、大量消費、利便性だけで商売が成り立った頃のビジネスから脱却できていない。

この時代はもうとっくに終わってしまっている。

WEBでの販売(EC)も進む中で、たくさんの商品の中から選べることや近くに店舗があること、安く購入できること、これらの価値は我々の当たり前になってしまった。

では、競合AとB社が行ける同じ距離にあるとして、自社に来る消費者は何故A社に足を運ぶのか?

ここを理解して企業の理念が現代版に再定義されていないことが、過度な価格競争や新商品開発の乱発を巻き起こしている要因の一つだと考える。

例えば、セブンイレブンに我々が抱くイメージは何だろうか?

他社よりも品質がちょっと良いものが買えるという期待感があるのではないでしょうか?

それでは、セブンイレブンのトップメッセージが何かご存知でしょうか?

~近くて便利~

「近くて便利」であることは、競合も店舗数を伸ばした今全くもって差別点ではない。

この意味を現代の価値と消費者のマインドにシフトできなければ、我々は特定の小売店に行く意味を見出だせないままになるでしょう。

MD(※)・バイヤーが会社の理念を理解できていない

(※)MDとはマーチャンダイザーの略

僕がこれまでお仕事をしてきた中で感じることを紹介します。

仮に企業に消費者に価値のある理念が定められていたとしましょう。

もしそうであれば、僕はオリジナル商品を作るMDや専用品の仕様をチェックするバイヤーは理念を理解していない。もしくは、理念を大事だと思っていない。

このどちらかではないかと言うくらい、商品づくりやラインアップの揃え方に信念が感じられない。

簡単な例で言うと好みで仕様を決めたり、社内の会議を通すことを優先した発言が多いと感じている。

自社に来る消費者にとって何が正しいのか?この視点を忘れてはいけない。

MD・バイヤーがカテゴリーのあるべき姿を描けていない

もう一歩進んで理念までMD・バイヤーにも浸透しているとしましょう。

もしそうなのであれば、MD・バイヤーに担当するカテゴリーのあるべき姿が描けていないと思う。

理由は前章と同じような考えであるが、顕著なのは商品提案をメーカー任せにしすぎていることだ。

本来、目指す姿があるのであれば、自らメーカーに対してどんなものを作りたいのかコミュニケーションを取るのが行うべき行動だと考える。

現状はメーカーが提案してきたことに「あーでもない、こーでもない」決められないというのは自分たちが向かうあるべき姿が描けていないことの裏返しである。

まとめ

小売店においてもマーケティング強者と弱者に二分されていることを紹介させていただいた。

大きな会社、規模の大きい会社だからマーケティングがうまくできているという訳ではない。

2021年現在の構図としては、大きく分けると、製造小売業(SPA)とセレクトショップの形態は強者。メーカー品を仕入れて置くことがメインの小売は弱者。

全てではないがこの傾向は一緒に仕事をしたり、各社の施策を見ているとこの傾向は強い。

既に始まっているAmazonを代表するECサイト、各メーカーが各々でEC出品できるShopifyなど小売店で買う意味というのは薄れていく傾向にある。

自社で提供できる価値を見つめ直し、小売にもマーケティング・ブランディングが必要であることを改めて強く認識していってもらいたい。

以上、情報が役に立ったり、考えるきっかけになったら嬉しいです。

今日はこのへんで。どうもありがとうございました!

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