【ハニカムモデル】プラズマクラスターの考察とヒットした3つの理由

ハニカム

皆さん、こんにちは。

このブログでは基本的には、自分の気になった商品、サービスの考え方を自分なりの新しい目線で解説し、サービスの向かう方向性や向かって欲しい方向性を発信していきます。

読者の皆さまには、自分の携わる仕事、サービスや商品の捉え方を変える気付きになれたら嬉しいです。というには、電機メーカー、食品メーカーの商品企画・マーケティングの仕事を通して、日本のブランディングやマーケティングって海外と比べて弱いなと思ってます。そんなブランディング・マーケティング弱者の日本メーカーに居ながらの発信ですが、少しでもJAPANのモノづくりやサービスが良くなるように微力ながら発信していきたいと思います。いいなーっと思ったら、親しい人にもシェアしていただけるとこれ幸いです。

さて、何回かご紹介した電通ハニカムモデルの実践編です。この『ハニカムモデル』よくできたフレームワークだと思う一方、イマイチ使い方だったり、自分のケースに当てはめるときの考え方が難しかったりします。(もちろん僕もあまり深く関わっていない対象を考察するのは難しいのですが)

なので、ここで身の回りにある商品やサービスをあくまで個人的な見解ですが、考察してみるので、『慣れ』の場として見て参考にしていただけたら嬉しいです。決してコレが正解というわけではなく、あくまでいち個人の見解ということはご了承ください。

プラズマクラスターがヒットした3つの理由

今思えば、というのと、個人的な見解になることはご容赦いただきたいのですが、以下のような理由があったのではないかと考えます。

  1. 花粉症やアレルギーによる症状が身近になってきていた
  2. 空気をろ過する空気清浄機から原因をやっつけにいく新しいスタイルの空気清浄
  3. 隣国の発展による大気汚染など空気について敏感になっていた

狙っていたかどうかは一旦置いておいて、お客さんのお困りごととして社会課題が顕在化していたところへ従来と違った『解(価値)』を提供してくれる商品が出てきたこと。つまりこの当時としては、空気の分野で新しいイノベーションが起こったからだと考えられます。

すぐに他社が似たようなイオンを開発したり、色んなことがあって開発者が流出したりという状況ですが、知らぬ間にブランド資産は実は貯まっていそうです。それを理解し、どのように事業や商品、メッセージに込めていくかはこれからの課題でしょう。

以下は、【プラズマクラスター】のブランド構造を分解して考察してみた内容です。

【プラズマクラスター】のハニカムモデル

僕も電機メーカーにいるときに非常に関わりの深かったブランドですので選びました。【プラズマクラスター】は、色んな商品に搭載がされているのですが、大元の【プラズマクラスター】というものに重視してこれをテーマにしたいと思います。改めて考えてみると、本当にあの商品には必要だったのか?など、可視化できる部分もあって、やっていて個人的には参考になりました。はい、構造としては以下の図のように考えてみました。

①シンボル(symbol)

ここには、その商品・サービスが何を見て、聞いて、感じて想起できるか?ということを落とし込んでいきます。【プラズマクラスター】は、TVCMでもお馴染みの「♪プラズマクラスターはシャープだけ」というジングルとブドウのようなロゴマーク。この2点は、プラズマクラスターの商品だと識別できる内容かと思います。なので、シンボルは『「♪プラズマクラスターはシャープだけ」というジングルとブドウのようなロゴマーク』となります。

これは商品の顔と言える部分なので、ここでその商品(ブランド)にない、もしくは突拍子もないことをすると失敗してしまうことになるので、商品の派生には、やはり注意が必要ですね。

②そのブランドの信頼の源泉(base of authority)

もうこのへんから難しくなっちゃうのがハニカムモデルの難点ですね。実際、僕はかなり突貫で考えましいたが、毎度悩ましいです。要は、その商品が必ず約束してくれると信じていること。ここは次に説明する機能価値と混同しがちなのですが、このへんは今後アップする記事を増やすので『慣れ』でお願いします!

ちなみに【プラズマクラスター】が必ず約束してくれること(base of authority)は、自然界と同じプラスとマイナスイオンを発生させることで「いい空気」をつくってくれるイオンここが【プラズマクラスター】といえば!と言うと、自然界と同じプラスとマイナスのイオンというのは理解が進んでいないような気もしますが、他社のイオンと差別化を図るうえでは大事なポイントですので、一応カウントしておきました。

①と②を合わせて『This is~』とまとめることができるようになります。なので、今回は【プラズマクラスター】とは、「♪プラズマクラスターはシャープだけ」というジングルやブドウのようなロゴマークで思い出される自然界と同じプラスとマイナスのイオンを発生させることで「いい空気」を作ってくれるイオン。こんな風に商品の自己紹介ができるようになります。

③機能価値(functional benefit)

ここは簡単に言うと、その商品の特徴です。【プラズマクラスター】の掃除機だけに絞って言えば、場合はだんだん新商品の影響で整合性が取れなくなってきています。一旦は以下の3点にまとめています。

  1. 浮遊菌、アレル物質などの作用を抑えてくれる
  2. 付着した菌、ウィルス、匂い、アレル物質の作用を抑えてくれる
  3. 静電気を抑える、肌にツヤを与える美容効果

このへんが経験上、そしてホームページからも分かる特徴になります。このような特徴はただそうであるだけではなく、次の情緒価値と紐づいていくことでユーザーにとってかけがえのないことが何なのかが明らかになってきます。

④情緒価値(emotional benefit)

③の機能価値で明らかになった商品の特徴がユーザーをどのような気持ちにさせているか?どのような気持ちに繋がっているか?を紐解いていくパートになります。あくまでパッと思いついた参考例になりますが、以下のように考えます。

  1. 見えないものに不安や不満を抱かず暮らせる前向きさ
  2. 自分らしく生活することを後押ししてくれる

大体、機能価値と対になることが多いです。即興であることや、実際の消費者理解も深くは洞察しきれていないのでフワッととしたところもあり、ちゃんと対には作りきれませんでしたが、考え方としてはこんな感じです。機能価値と情緒価値の繋がりとしては、

機能価値の「①浮遊菌、アレル物質などの作用を抑えてくれる」「②付着した菌、ウィルス、匂い、アレル物質の作用を抑えてくれる」が情緒価値の①「見えないものに不安や不満を抱かずに暮らせる前向きさ」をもたらしてくれていると感じました。

また、機能価値の「②付着した菌、ウィルス、匂い、アレル物質の作用を抑えてくれる」と「③静電気を抑える、肌にツヤを与える美容効果」は、情緒価値の「②自分らしく生活することを後押ししてくれる」ということに繋がっているのではないかと考えました。

ここまで来ると何となく【プラズマクラスター】がプラズマクラスターたる理由や、どんな風にして替えの効かない存在になってきているかというのが分かってきたのではないでしょうか?【プラズマクラスター】がその他のイオンと比べてどんな風に違うのか少し輪郭が見えてくると思います。

⑤顧客イメージ(ideal customer image)

ご存じな方はペルソナと言った方がイメージが沸きやすいかもしれません。要は、どんなお客さんが使っているかの代表格(イメージ)を具現化するところです。今回はあくまで僕から見たイメージだけで書いています。そして、今回はかなり悩みました。というのは、商品によってだいぶ年齢差があるような感じがしたのですが、仮にですが絞り込んでみました。ここは今後の商品(ブランド)運営に大きく関わる部分ですので、ご自身に当てはめるときは、よくよく消費者を観察することをおススメします。

【プラズマクラスター】は、イオンを扱うブランドの中でも、実際に自然界にあるイオンで自分と関係の深い他者にとって『安心』できる存在であること。『常にある』その空気それを率先して享受して、『周りと共通する空間にも良いこと』をしようとしている人がイメージとして沸いてきました。もう少しシャープにするとイメージもしやすいのですが、ここに僕はこの時点足せるとしたら、ジェンダーの話も微妙ですが、男性か女性かでいうと女性の方が優勢ではないかなと思い「いつも新鮮な気持ちで家族と共に暮らし、前向きに応援したい女性」という人物をイメージしてみました。

⑥この商品が人だったら。。(personality)

とてもメルヘンな感じがするのですが、結構実際のマーケティングでは大事です。どのようにお客さんに接していたいのか?どのように思われたいのか?こういった部分が商品を人格化したときに表層化していきます。

僕のあくまでイメージですが、【プラズマクラスター】は、商品の自己紹介や機能価値、情緒価値も鑑みて、キーワードとして、「空気(目に見えない)」「自然界(森と同じイオン)」「自分らしくいることをサポートしてくれる」という印象から、『いつも見えないけども、安心を与えて応援をしてくれる森の妖精』という人格をイメージしてみました。個人的にずっと思っていたことなのですが、イオンって目にも見えないし、効果もはっきりしにくいものだと思ってまして、今回は人格というよりは、目に見えない妖精っぽい感じになってしまったのですが、こう考えると少し腹落ちしたというか、目に見えない当たり前を提供してくれようとしてくれているそんな存在なんじゃないかなと思いました。

⑦コアバリュー(core value)

今までのステップを通して、【プラズマクラスター】がユーザーにもたらす真の価値を一言で言うと何なのか?というパートです。とても難しいです。割と物性よりになる場合もありますし、シンプルに情緒的な一言で言える場合もあります。今回は【プラズマクラスター】の真髄は、企業のページの言葉にもありますが、『いい空気』というところと価値として、よい空気や健康状態が当たり前ではなくなりつつある世の中で、自分が100%の状態であることを空気で支援してくれているんじゃないかなと思い、『いい空気で安心と快適を与え健やかな毎日を応援する』一旦こんな風にセットしてみました。一旦というのは、非常にここは考え方が難しいので、すぐに思いつく限りではという感じです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?少しでもイメージが沸いたら嬉しいですし、ご自身のお仕事やテーマに合わせて考えるきっかけになったら是幸いです。

こんな風にまとめてみると、「この商品にプラズマクラスター付けて本当にそんなにお客さんに価値感じてもらえるものか!?」それでも何故、欲しいお客さんにとっては価値のあるものだったのか。実は、機能面ばかり話すのではなく、気持ちや実現できる生活を情緒的に伝える方が分かりやすかったのではないか?(まあ、ここは商品やタイミングによりけりでしょうが)整理してみると何となく見えてきますね。

ただ、空気に関しては企業をあげてメッセージを強化しているダイキンや、マス広告のパワーも使ってくるパナソニックのナノイーもありますので、ちゃんと戦局を見ながら、そしてあまり日本ばかりに気を取られずに【プラズマクラスター】だからこそ成しえる社会課題の解決に向けた目標づくりが大切になってきそうですね。

他のシャープの商品を考察していくと【プラズマクラスター】が必要か?ですとか、ちゃんと活かしきれているのか?というような視点がうまれてくるような気がします。

このハニカムモデルの考え方は逆算をしたり、応用も効くので、これからアップしていく記事やシリーズとしてまとまったら、ザッと見ていただけるといいかなと思います。

その他、ブランドに参考になりそうな書籍を以下でご紹介させてもらいます。というわけで、今日はここまでです。どうもありがとうございました!

以下、紹介書籍

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