皆さん、こんにちは。
・「こないだまで学生だったフレッシュな目線を活かします」
もう新入生が入ってくるシーズンです。こんな発言を毎年耳にする諸先輩方、そして「もう言っちゃった」という新入社員の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
僕は、商品企画・マーケティングに8年ほどのキャリアがあります。それなりに実績や場数も踏んで来たと自負しています。実はこの発言を毎年のように聞いているのでうが、どこか違和感のようなものを感じていました。
この記事では、商品企画・マーケターになった新入生の「消費者目線に近い」=「消費者を理解している」ということには繋がっていないのではないか?という理由と解決策について紹介します。
この記事を読んでいただければ、商品企画・マーケティングに配属され活躍しようとしている方が、自分の個性をもっと出してお仕事に取り組めるようになると思います。是非最後まで読んでみてください。
消費者目線≠消費者視点・起点
言葉としては何か近い気がします。
しかし、「消費者目線=ほぼ素人」だと僕は思っています。つまり、商品企画・マーケティングにおいて消費者目線を活かすということは「そのへんのマダムの意見を取り入れる」というのと変わりません。
これではマーケティングは成り立ちません。
マーケティングは「消費者起点」で考えを深め、広げて行かなければ誰のために作っているのか分からない商品になってしまいます。
そいう意味では「消費者視点」も大事ですが、「消費者起点」で物事を考えて、「この人たちの生活に貢献できるよに頑張ります!」というは発言の方が実は的を射ています。
実際、これは僕の電機メーカー時代の経験ですが、「消費者目線」ということで洗濯機を使う社内の女性の意見が優先され企画に盛り込まれることがありました。
結果はやはり明白で誰の何のためか分からない機能が盛々になった商品ができてしまいました。
これは次にも話ますが、デザインターゲットを中心とした考え方が必要なのです。
そもそもアナタはターゲットではないかもしれない
「一番消費者目線に近いので頑張ります!」この発言はそもそも仕事に活きない可能性もある。いや、むしろほとんど役に立たないと言っても過言ではないと思っています。
なぜか?
それは発言したその人が担当する商品やブランドのコアターゲットではない可能性が高いからです。
少しだけ触れましたが、マーケティングとして商品やブランドを設計するときの中心となる考えがコアターゲット(デザインターゲット)です。
簡単に言うと、アナタは担当商品の主要なお客さんだろうか?
恐らく違うというパターンが多いと思うのだが、そのときに「消費者目線を活かす」と言ってしまい、この罠にかかると、ずっと素人が商品づくりに口を挟むようなことに構図になってしまう。
言葉が少し乱暴で大変申し訳なかったのでが、ぜひ「消費者起点」で考えられる頭を持って仕事に取り組んでいただきたいと思います。
ブランドを使い込んだ経験が語れるか
これは自戒の念を込めての理由の提言です。
マーケティングにおいてブランディングはとても重要です。なぜなら今の世の中にはモノが溢れ「大体でれでも一緒」と思われているからです。
そこに1つのブランドを使い続けるという確固たる意思を持たせるかが生き残りの分かれ目になってきます。
つまり、そもそも何か一つのブランドを思い入れを持って使い続けた経験が浅ければ、マーケティングにおいてブランドを作るという活動に想いが乗りにくいと考えています。
というより、僕自身がそうでした。あまりこだわりがない方だったので、何でそんなに愛着を持って1つのブランドを使うのかに理解がなかなか追いつきませんでした。
これは「消費者目線でがんばります」だけでは伝わらないので、もしその経験があるのであれば、それを発言してほしいです!
言ってくれた人にはグッと期待感が高まると思います。
まず最初から習慣にしてほしいこと
ほとんど前述したことを解決策になりますが、
・コアターゲットが居れば、その人のことの理解を深める
・自分自身も愛着のあるブランドについて深く考える
ここはファーストステップとして考えておくと、マーケティングをするうえでの土台ができてくると思います。
これを鍛えることによって、ようやく自分自身の個性を出したアイディアが活きてきます!
これは経験上断言できます!「消費者起点で語れる人以外のアイディアには説得力が乏しい」これは残念ながら事実です。
でも、残念に思わないでください。思考の問題ですからすぐに上手くいきます。一定のレベルまではすぐに追いつきますし、商品やブランドが変われば誰でも1からのやり直しです。
自分なりの型を作っておいて、すぐに応用できるようにしておきましょう!
まとめ
僭越ながら新入社員の「一番消費者目線に近いのでがんばります」発言に対して、もっと期待したいことを説明させていただきました。
マーケティングの中でブランドを育てることはターゲットの理解が不可欠です。
ぜひ「フレッシュな視点」に頼らずに顧客にとって何がいいのか?ということを深く深く理解ができるように考え抜きましょう。
以上、情報が役に立ったり、考えるきっかけになったら嬉しいです。
今日はこのへんで。どうもありがとうございました!
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